しごと つたエールけん

◆JAながさき県央 小串トマト組合(川棚町)
組合長
吉本 明徳(よしもとあきのり)さん

◇量より質にこだわり、味で勝負する「小串トマト」
吉本さんをはじめ、農家5軒で生産している「小串トマト」。味で勝負しようと栽培法からこだわったトマトは糖度7度以上の高糖度でおいしいと評判です。「小串トマト」をブランド化し、川棚町の名物として地産地消しながら地域を盛り上げており、後継者に味わいや思いを受け継いでいます。

川棚町小串郷の農家に生まれ育ち、家業は自分が継ぐものと思っていたため、中学卒業後は諫早市の総合農林試験場(現県農林技術開発センター)で1年間、野菜全般について学びました。その後、県立大村園芸高校(現 大村城南高校)に進学して農業の基礎を学び、卒業後に実家で就農しました。
現在は、トマトやキュウリ、水稲(すいとう)(米)を生産しています。中でもトマトは、極力水を与えず育てるしめづくり栽培で、冬から春に収穫する「小串トマト」としてブランド化しました。小串トマトは川棚町の農家5軒のみで生産しており、他の産地と比べて生産量では勝てません。そこで、味で勝負しようとこの栽培法を選んでいます。一般的なトマトの糖度は4.5~5度ですが、小串トマトの糖度は7度以上と高いのが特徴で、程よい酸味とのバランスが良いと好評です。小串地区は日照時間が長くて、海が近く雪が積もりにくいのでトマト栽培に最適です。一方、温暖化の影響で、冬でも虫が活発になっているので、防虫ネットなどで病害虫対策をするなど、おいしいトマトをつくるためにさまざまな工夫をしています。
傷物など規格外のトマトを無駄にしたくないとの思いから、佐世保市の菓子屋「草加家」の協力により2021年に規格外のトマトを加工したピューレが誕生。町内の飲食店13店舗で、ピューレを使用した料理が提供されており、地産地消につながっています。
所属する小串トマト組合は、組合員数5軒ながら高糖度トマトを生産する技術力や小串トマトをブランド化し、町内でも認知されて活性化に貢献したことなどが評価され、2023年に「ながさき農林業大賞※」で運営委員会長賞を受賞しました。
川棚町の農業も高齢化が進んでいますが、当組合では幸い後継者が育っており息子も3代目として一緒に生産に励んでいます。今後も小串トマトで地元を盛り上げていきながら、多くの方においしいトマトを食べてもらえるよう、JA全農での通信販売や販路の拡大にも力を入れていきたいです。

※地域の特性を生かした先進的な取り組みで成果を上げた農林業者などを表彰