- 発行日 :
- 自治体名 : 長崎県
- 広報紙名 : つたえる県ながさき 第110号(令和7年6月号)
■TSUYOSHI’S FLOWERS(雲仙市)
代表 浜塚 剛(はまつか つよし)さん・恵美(えみ)さん
◇挑戦を繰り返し、国産カーネーションを世界基準へ
雲仙市の特産品の1つであるカーネーション。浜塚剛さんは妻の恵美さんと共に、瑞穂町で独自ブランドを立ち上げ、地元の方や外国人を含むスタッフと世界に通用するカーネーション栽培に挑戦しています。県内の福祉事業所と連携し、カラフルなレインボーカーネーションも生産。障害のある方の就労もサポートしています。
カーネーション農家の2代目。農業者大学校に進学後、「今の自分は両親のカーネーションのおかげ」と気付き、卒業後帰郷し、独自ブランド「TSUYOSHI’S FLOWERS」を設立。就農から17年目の現在、ハウス面積は8,300平方メートルまで規模を拡大しました。妻や地元スタッフ、外国人スタッフと共に年間約100万本生産し東京や大阪など全国の市場に出荷しています。
国内に流通するカーネーションの約7割は輸入品ですが、国産は花の鮮度が高く、花持ちが良いのが特徴。元気な花を咲かせるために、土作りにもこだわります。毎年約30種を生産していますが、変化する市場のニーズに応えようと新たな品種の生産に積極的に挑戦。国産カーネーションのブランド力向上を目指しています。
虹色のグラデーションで人気のあるレインボーカーネーションは、農家だけでは生産量に限界があり、需要に応えられませんでした。そのため、6年前に障害福祉事業所と連携して、白いカーネーションを4色の染料に浸す「染め加工」の工程を依頼しています。福祉事業所の利用者にとって加工がフラワーセラピーにもなっています。加工に使う花は市内の若手農業者と共に生産。出荷量を安定させることで、持続可能な「農福連携」を目指しており、出荷したレインボーカーネーションは購入者から高い評価を受けています。
私の人生のテーマは「新しいことへの挑戦」です。昨年度、ながさき農林業大賞(※)の最高賞をいただきました。失敗を恐れずにさまざまな事業に取り組み、花と真摯に向き合った結果だと思います。これからも雲仙市で世界基準のカーネーションを生産していきたいです。
※地域の特性を生かした先進的な取り組みで成果を上げる農林業者などを表彰