- 発行日 :
- 自治体名 : 長崎県
- 広報紙名 : つたえる県ながさき 第113号(令和7年9月号)
■スマート農業で作業を省力化 高品質な壱岐ならではの作物を生産
農事組合法人 平人(ひろうと)営農組合(壱岐市)
代表理事 辻川 秀樹(つじかわ ひでき)さん
農業が盛んな壱岐市で、米、大麦、ジャガイモなどを生産している農事組合法人平人営農組合。代表理事の辻川秀樹さんは、ロボットやドローンなどの先端技術を活用するスマート農業を積極的に推進し、農作業の負担を軽減するとともに、質の高い作物の生産に取り組んでいます。
平人営農組合は平人地区の農家が共同で農業を営むために2015年に結成し、現在は18人の組合員で構成しています。10町(約10万平方メートル)の農地で、壱岐名産の麦焼酎に使われる大麦の種子や、水稲種子のほか、3年ほど前からは壱岐市でブランド化を進めているジャガイモ「壱岐黄金(こがね)」を生産しています。
壱岐黄金は中身が濃い黄色で、栗のような濃厚な甘みとホクホクの食感が特長です。組合では地域に貢献したいという思いから市のまちづくり協議会と協力して「収穫祭」を開いています。今年は近隣の小学生や保護者を招き、ジャガイモを袋いっぱいに詰め込む親子でにぎわいました。
組合には私を含め普段は会社員として働いている組合員もおり、平日に作業できるのは2~3人ほどに限られます。少人数でも皆の農地を維持していくためスマート技術の導入に力を入れてきました。現在は全地球測位システム(GPS)で自動運転が可能なトラクターや無線操縦で動く草刈り機を導入。ドローンによる農薬散布や種まきも行い、作業負担は大きく軽減されたと実感しています。
こうした取り組みが評価され、昨年度は「ながさき農林業大賞※」で長崎県知事賞に選ばれました。作物の品質はもちろん、組合員が団結して良い物を作っていこうという姿勢も評価されたとうれしく思っています。
代表理事になって3年目。皆で同じ目的を持ち協力して農業に取り組む中で、前年より作物の収量が上がればうれしいし、次の年のモチベーションにつながります。スマート技術の導入で組合員がさらに農業に取り組みやすい環境を整えながら、今後も県民や全国の方により良い作物を届けると同時に、地域貢献にも力を入れたいと思っています。
※地域の特性を生かした先進的な取り組みで成果を上げる農林業者などを表彰