文化 特集 11年の時を経て扉を開く~旧長崎英国領事館ついに開館!~(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 長崎県長崎市
- 広報紙名 : 広報ながさき 令和8年2月号 No.901
大浦町にある旧長崎英国領事館は、国の重要文化財に指定されています。後世まで保存するため、約11年の歳月をかけて保存修理と耐震工事を行い、1月30日(金)に新たに開館。今回の特集では、修復の歩みや館内の魅力を紹介します。
■旧長崎英国領事館とは
幕末、函館・横浜とともに自由貿易港として開港した長崎。来航する外国人の居住区をつくるため、大浦湾を埋め立てて、外国人居留地を整備しました。
英国は、開港後すぐに領事を派遣し、長崎に滞在する英国人の生活や商業活動を支えるために、英国領事館を開設しました。南山手の寺や大浦海岸通りの木造洋館などで仕事をしていましたが、1908年に現在のレンガ造りの領事館を新築しました。その後、第二次世界大戦が激しくなり英国領事館は閉鎖され、戦後、長崎市が購入しました。
■市民に親しまれる施設へ
市は購入した英国領事館を、1957年からは児童科学館、1993年からは野口彌太郎記念美術館として活用し、多くの市民に親しまれました。
その後、建設から100年以上が経過し老朽化が進んだため、2015年から建物の修理や耐震補強工事に着手しました。
■「継承」するための11年
保存修理では、建物の価値を損なうことなく後世に伝えるため、綿密な調査や伝統工法を使いながら工事を進めました。また、地震に強い建物にするために構造補強を行いました。
「旧長崎英国領事館には、たくさんのこだわりやオススメが詰まっています。文化財課の担当者が語るこだわりをご紹介!」
●保存修理工事
解体工事では、取り外す床の板材や暖炉のタイル一つ一つに番号をつけて丁寧に保管。それぞれの部品を補修した後、番号を見ながら元の位置に戻し、時間をかけて当時の姿を変えないように施工しました。
また、内壁の塗料を一層ずつ丁寧にこすり、建設当初の色を調査。今回の工事で、当時は緑や赤を基調としていたことが分かり、その色で壁を仕上げました。
●構造補強工事
同館の地下は建設当初、松杭(まつぐい)で地盤を補強していましたが、すでに老朽化していて機能を果たしていませんでした。また、地震に弱いレンガ造りであるため、構造補強として一度建物を持ち上げ、本館と附属屋の地下に免震装置を整備。揺れを建物に伝わりにくくして安全性を高めました。
■修理のあゆみ
改変されていた建具も修理し、当時の姿を感じられるようになりました。さらに、館内には免震の仕組みを学べる模型などたくさんの展示を用意しています。重要文化財建造物としての価値のほか、居留地全体の歴史、文化を学ぶことができます。
■修理展示やこだわりをご紹介!
●領事事務室
領事の執務空間を再現。当時の英国領事の仕事などを展示しています。また、本や引き出しなどにも展示が隠されています。ぜひ探してみてください!
●シアター・探訪マップ
長崎英国領事館の開設から閉鎖までの歴史を領事たちが掛け合いながら教えてくれる書記室のシアターや、タッチパネルで外国人居留地の歴史について学べる控室の探訪マップなど、楽しく学べる展示がたくさん!
●和洋が息づく建築物
建物は、英国人コーワンが設計し、日本人の技術者により建設されました。レンガなどを使った西洋のデザインが特徴的ですが、屋根には瓦が使用されるなど、和と洋の文化が生かされた建築といえます。
「正面は、丸窓や連続するアーチで重厚感のあるデザインに!」
●映えスポット
館内は写真撮影OK!家族や友だちとお気に入りのスポットを探しながら、館内散策を楽しんでみてください!
