くらし MADE IN OMURA 大村の「農」(1)

自営で農業に従事する人の平均年齢は69.2歳(農林水産省統計による)。高齢化が進む中、4Hクラブ(農業青年クラブ)と呼ばれる若手農業者の団体があります。
ここ大村でも、大村市青年農業者会所属の22人の若手農業者たちが、地域農業の活性化と若手の育成を目的に活動しています。

・前川 悠太会長
農業歴:7年目
生産作物:ニンジン

・松添 成央さん
農業歴:4年目
生産作物:トマト・ニンジン

・五十嵐 健さん
農業歴:3年目
生産作物:ミカン

大村青年農業者会の平均年齢は29.2歳。専業農家は約7割で、女性も活躍しています。

―皆さんが農業を始めたきっかけを教えてください。
前川 私は実家が農家で、大学でも農業経営を勉強しました。卒業後は農協職員として働く傍ら、兼業農家として農業に携わっています。
松添 私も実家が農家なのですが、高校卒業後、農業とは関係ない県外の一般企業に就職しました。元々跡を継ぐ気はありませんでしたが、就職して2年ほど経ち、実家のきれいなハウスや農地がこれからどうなるだろうと考えたとき、やっぱり残したいと考え、Uターンを決めました。
五十嵐 私は兵庫県出身ですが、祖父母や親戚が大村にいて、幼い頃からよく遊びに来ていました。誇りを持てる仕事に就きたいという思いで、第二の故郷であるここ大村で農業を始めたいと考え、思い切ってIターンしました。繁忙期は手伝ってもらいますが、基本は一人でミカンなどのかんきつ類を中心に育てています。地元の丹波の栗の生育にも挑戦中です。
―若手ならではの強みを感じることはありますか。
松添 失敗を恐れずチャレンジできることですね。ハウス内の温度や湿度、日射、二酸化炭素濃度を確認できる装置や、湿度を感知し自動で霧が出る装置などの新しい資材を投入し、農業のスマート化も導入しています。少しの失敗はまだまだ取り返せるので、むしろ勉強だと思っています。
五十嵐 私の地区では現在基盤整備が進んでいて、いずれは地区全体でスマートフォンを使って自動で水やりができるようになる予定です。
―後継者不足という話を聞きます。どのように感じますか。
前川 実は、子どもに跡を継がせない農家さんもかなり多いです。農業経営はきついしリスクもある。生半可な気持ちじゃできないことをわかっているからこそですよね。
―4Hとして一番力を入れていることは何ですか。
松添 食育と地産地消です。
前川 そのために、毎年4Hでもち米を生産し、もちつきイベントを市内各所で行っています。また、昨年は保育園で収穫体験を行い、今年は向陽高校と連携した食育活動や、地元企業とコラボして商品開発を進めています。
―今後の活動目標を教えてください。
前川 若手が作った農産物を販売できることが一番。大きな目標を掲げるというよりも、宅地化が進み農地が減少している中で、少しでも農地を守り続けられる組織でありたいです。

市では、農業に興味がある人や新たに農業を始めたい人を支援しています。詳しくは市ホームページをご確認ください。

問合せ:農業経営支援課