- 発行日 :
- 自治体名 : 長崎県大村市
- 広報紙名 : 広報おおむら 2025年11月号(No.1555)
◆要注意、根っこの虫歯
がもう歯科 院長 蒲生 亮平先生
厚生労働省の発表によれば、8020運動(80歳で歯を20本残そうという運動)の達成者が6割を超えたそうです(令和4年は達成率5割)。多くの人が虫歯・歯周病予防の重要性を理解し実行していただいている賜物だと思います。
そんな中、これからの課題として、「歯の根っこの虫歯」というものがあります。これは高齢になるにつれ、唾液が減少すること、また歯の根っこは非常に虫歯になりやすいことが原因で発生します。これを根面(こんめん)う蝕(しょく)と呼びます。令和5年の調査では70歳以上で約2割の人に未処置の根面う蝕があったと報告されています。
歯の根っこの虫歯には、歯の頭の虫歯といくつか違う点があります。1つ目はエナメル質の有無です。エナメル質は歯の表面を覆っている硬いコンクリートみたいな構造です。ここは酸に溶かされにくく虫歯の進行を遅くするのに一役かっています。しかし歯の根っこにはこのエナメル質がありません。そのため虫歯になると進行が非常に早くなります。
2つ目は、神経までの距離です。歯は頭より根っこの方が細くなっています。そのため根の部分が虫歯になると神経に到達するまでが早く、処置が大がかりになります。
3つ目は、歯が折れる可能性があることです。唾液減少による影響で内側(舌側)にも虫歯ができやすくなります。頬側と両方から虫歯になると、ポキっと折れやすくなります。
怖い話ばかりになりましたが、予防する方法もあります。まずはお子さんの虫歯予防と同様に、フッ素を塗布することです。フッ素には虫歯の進行を抑制する効果があります。初期の根面う蝕であれば、フッ素塗布を保険適用で受けられます。もう一つは、唾液腺のマッサージです。食事の前に唾液腺(耳の下や顎の下あたり)を手でマッサージすることで、唾液の出をよくすることができます。
ご自身の唾液の量が多いか少ないか、こちらも50歳以上の人であれば保険適用範囲で検査を受けられます。ずっと虫歯がなかった人も身体や生活リズムの変化により、歯の根の虫歯になる可能性がありますので、気になる人はお近くの歯科医院に相談してみてください。
