- 発行日 :
- 自治体名 : 長崎県長与町
- 広報紙名 : 広報ながよ 令和7年5月号
■がんと整形外科
道ノ尾みやた整形外科
宮田倫明先生
がんと整形外科は一見関係がないように思えますが、実は意外と深い関わりがあります。がんの病態や治療の影響により、患者さんは様々な運動器の症状に悩まされることがあります。がんによる痛み、筋力低下、関節の動きの制限、手足のしびれ、骨粗鬆症などの症状は、日常生活に大きな影響を与えます。これらの症状の多くは、整形外科医が専門とする領域と重なっています。
「がんロコモ」という言葉をご存じでしょうか。これは、がんやがんの治療によって骨や関節、筋肉、神経などの運動器に障害が起こり、移動機能が低下した状態を指します。がんロコモにより、患者さんの生活の質が低下することがあるため、早期発見と適切な対応が重要です。
では、どのような場合に整形外科を受診すべきでしょうか。
(1)腰痛や関節の痛みが続いている
(2)手足のしびれや痛みがある
(3)筋力・体力低下や関節の動きの制限で日常生活に支障がある
(4)歩くのが遅くなった、転びやすくなった
このような症状に対しては、整形外科での治療やリハビリテーションが適応となる場合があります。がんと診断された方や治療中の方も、運動器の症状でお困りの際は、近隣の整形外科を受診してみてはいかがでしょうか。