- 発行日 :
- 自治体名 : 長崎県波佐見町
- 広報紙名 : 広報はさみ 令和7年11月号
◆薬の正しい飲み方(食前・食後・食間の違いを知っていますか?)
・あじさい薬局 平川 純
病院や薬局で薬をもらうと「食前」、「食後」、「食間」にといった指示が薬袋に書かれている事があります。これにはしっかりとした意味があります。薬は飲むタイミングを守る事で効果を発揮し、副作用を減らす事ができます。
食前(しょくぜん)服用とは、「食事の30分くらい前にお薬を服用」を意味します。食前に飲む薬は主に「食事によって効果が妨げられる薬」や「食事の前に効いてほしい薬」です。例えば胃酸を抑える胃薬や食事で胃酸が出る前に効かせたい、又は食欲を高める薬、食べる前に効いてほしい薬です。
食後(しょくご)服用とは、「食事が終わってから30分以内に薬を服用」を意味します。最もよく使われるタイミングです。多くの薬は胃への刺激があるため食後に飲む事で胃の刺激を軽減できます。さらに、食事と一緒に薬の成分が吸収された方が効果が安定する薬もあります。例えば抗生物質の一部、糖尿病の薬、痛み止めなどです。
食間(しょくかん)服用とは、「食事と食事の間(食後2時間ほどたった空腹時)に薬を服用」を意味します。間違えて食事中に服用する方もいますので、要注意です!わかりにくい方は朝食と昼食の間、時間帯は9時半、昼食と夕食の間、時間帯は午後3時半など具体的な時間に薬を服用して下さい。例えば胃の中に食べ物がない状態で効果を発揮する薬や食事によって吸収が妨げられる薬が食間服用となります。
どうして服用のタイミングが大事なのか?薬によっては、食事の影響で体への吸収が変わる事があります。食後に飲んだ方が吸収されやすい薬もあれば、空腹時に飲まないと効果が落ちる薬もあります。また、胃に負担をかけやすい薬は、食後に飲んだ方が副作用を減らせます。つまり、薬を飲むタイミングはお薬の性質に合わせてベストな効き方をする様に設計されています。
薬を飲み忘れたときはどうするか?薬を飲むのを忘れてしまうのはよくある事です。そんな時は、思い出してすぐなら飲んでもよい(ただし次の服用時間が近い場合は1回分飛ばす)ですが、絶対に2回分をまとめて飲んではいけません。
「食前」「食後」「食間」という飲み方にはそれぞれ理由があり、薬は正しく飲んでこそ、効果を発揮し安全に使えるものです。自己流で飲むのではなく、指示を守る事が大切です。飲み方に不安がある時は、薬剤師にお気軽に相談してください。正しい飲み方を知る事で薬はより安心で頼もしい味方になってくれます。
