- 発行日 :
- 自治体名 : 熊本県玉名市
- 広報紙名 : 広報たまな 令和7年3月号
■第36回くまもと県北病院市民公開講座
「その息切れ そのむくみ 心臓のせいかもしれません~心不全のお話~」
循環器内科 時津孝典(ときつたかのり)先生
今回の市民公開講座では心臓の基礎疾患(心筋梗塞、不整脈、弁膜症、心筋症など)、心不全がどのような病気か、どのように進行するかなどをお話させていただきました。
心臓は全身の臓器に血液(酸素・栄養)を供給するポンプの役割を担っています。心不全は、前出の様々な心臓の基礎疾患が原因で、この心臓のポンプ機能が低下し、様々な症状(息切れ、むくみ、倦怠感など)を引き起こします。どのような心臓疾患も最終的には心不全になり得、いわば心不全は心臓疾患の終末像の病態です。
高血圧や糖尿病、高コレステロール、喫煙などの生活習慣病は動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や心肥大へとつながり、心臓に大きな負担をかけることになります。これらが進行し、心臓の機能が低下すると心不全を発症することになります。心筋症などの遺伝的要素が大きい疾患は残念ながら予防することができませんが、生活習慣病は生活を見直すことで改善させることができ、結果として心不全の発症を予防できることになります。
残念ながら心不全を発症した後も、生活習慣病の管理は非常に重要です。心不全は高頻度で再発しますが、その多くが塩分過多、過度の負荷などの生活習慣によるものが多いとされています。また、適度な運動をすることで、内服薬と同等・それ以上の効果があると言われています。生活習慣病の管理を含めて、日頃から適度な運動を心がけるようにしましょう。
問合せ:地方独立行政法人くまもと県北病院
【電話】73-5000