くらし 菊池人(142) 木編(きへん)BOOKS 店主 杉本 翼 さん
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- 発行日 :
- 自治体名 : 熊本県菊池市
- 広報紙名 : 広報きくち 令和7年10月号
■本と哲学で人生を豊かに
〔Profile〕すぎもと・つばさ
平成8年生まれ。福岡県出身。2024年9月に「木編 BOOKS」を開業。名前の由来は夫婦二人の名字にどちらも木が入っていることと、木を編むと本になるという意味を込めた。主に旧マスザキデンキ(迎町)の一角に出店。哲学対話の中でも結論を追及する手法である本質観取の普及に向け、全国にファシリテーターを派遣する団体「(一社)ホンシツカンシュ」を設立し、代表理事を務める。歴史調査や ITコンサルのフリーランスとしても働いており、三足の草鞋を履く。袈裟尾区在住。29歳。
熊本大学に在学中、哲学の本を読んで興味を持った。その本の著者である教授のゼミで、ある問いについて考え合い、一つの結論を導き出す哲学対話にのめり込む。「普段使わない脳を使って出した結論は、気持ち良いくらい納得でき、視野が広がりました。参加者と価値観を共有して、深いところでつながれた気がしたんです」。就職で上京後も、全国の人と哲学対話を続けた。
妻との出会いも哲学対話。本という共通の趣味もあり、一緒に個人書店を巡った。選書や陳列で店主の人柄や考え方が分かることに魅力を感じ、次第に本屋を始めたいと思うようになった。
リモートワークを選択し、愛着のある熊本に夫婦で移住。菊池を訪れると、自然が多く歴史ある街並みが心に留まった。隈府のまちなかはコンパクトで歩きやすく、本屋のイメージが湧いて引っ越しを決めた。
隈府のカフェで店主に本屋の夢を話すと「うちでやりなよ」と後押しされ、間借りで「木編BOOKS」をオープン。好きな本を揃え、定期的に哲学対話も開催。高校生から高齢者まで幅広い世代が集う。本を薦めるときも、対話を通してその人に合うものを提案する。
来年、隈府で念願だった店舗を持つ予定だ。「本は知識や考え方を学んで、人を深める。対話は自分と違う意見の人と納得がいくまで話し、他者と深くつながることができる。2つを掛け合わせることで、新たな価値観や考えと出会える場所にしたいです」
■「菊池人」希望者を募集します
新しいことに挑戦している人、伝統を受け継いでいる人など、菊池で頑張っている人を募集します。本市在住であれば自薦・他薦は問いません。詳しくは市長公室までお問い合わせください。
問い合わせ先:市長公室広報交流係
【電話】0968-25-7252
