- 発行日 :
- 自治体名 : 熊本県菊池市
- 広報紙名 : 広報きくち 令和7年10月号
■菊池の松囃子(まつばやし)
隈府に伝わる菊池の松囃子は御松囃子御能(おんまつばやしおのう)とも呼ばれ、市で最も古くから伝承されている芸能の一つです。国の重要無形民俗文化財に指定されており、毎年10月13日、菊池神社秋季大祭の初日に菊池松囃子能場(県指定有形民俗文化財)で奉納されています(関連6ページ)。
演じられる祝言の曲「松囃子」は舞人1人、大鼓(おおつづみ)2人、太鼓1人の囃子方と十数人の地方(ぢかた)、後見1人で構成され、舞人は笹や扇を持って舞います。この舞の振りが古風で謡(うたい)も素朴な要素をとどめているため、能の変遷過程を知る上で大変貴重な民俗芸能と評されています。松囃子の後、脇能の「老松」や能、狂言などが数番行われます。
伝承されている詞章(ししょう)などから、起源は室町時代から継承されているものと考えられています。宝暦7(1757)年の「菊池松囃子起源書」によると、南北朝時代、15代武光(たけみつ)の代に征西将軍として下向した懐良(かねなが)親王のために、正月の祝言として守山城内で行われたのが始まりといわれ、現在でも親王お手植えと伝わるムクの木「将軍木」(県指定天然記念物)に向かって奉納します。
当初は正月に行われていましたが、ある時、武光出陣中のため行えず、7月15日に延期されたのが恒例となり、さらに現在の日にちとなりました。
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