くらし アソヒト

◆Vol.4 ス・スモンさん(阿蘇プラザホテル)
スさんとは、にほんごあそびばのイベントで初めて出会いました。
阿蘇プラザホテルで働くスさん。ミャンマー出身の彼女は、2年半前に初めて日本へやってきました。
出身地はミャンマーの真ん中にある田舎町。周りに山はなく、広がるのは一面の田んぼ。「とても暑い国で、村の近くにあるスーパーまで車で出かけて買い物していました」と穏やかに話します。
そんなスさんが日本へ来るきっかけになったのは、新型コロナウイルスの影響でした。
「最初はミャンマーで働くつもりでしたが、コロナで生活が難しくなって、日本で働くことを選びました」と言います。日本に来るのは初めて。不安だったのは、やはり「言葉」。それでも勇気を出して来日し、熊本・阿蘇での新しい生活が始まりました。初めて阿蘇を訪れたときの印象を尋ねると、スさんは「どこを見ても山があることにびっくりしました」と笑顔。山に囲まれた風景はミャンマーの故郷とはまったく違うけれど、「阿蘇の方がお店も近くて便利」と話します。今ではすっかり阿蘇の暮らしにも慣れ、地域の人たちとも温かい交流を重ねているスさん。「職場のおばあちゃん達がお母さん、料理長がお父さんみたい。日本料理に慣れていない自分たちのためにYouTubeで調べたミャンマー料理を作ってくれるのがすごく嬉しい」と話す姿に、長尾は写真を撮らないといけないのですが、ついほっこりして写真を撮らずに聞き入ってしまいました。日々の仕事を通じて地域に溶け込み、笑顔を届けるスさん。
阿蘇は今日も、世界のどこかから来た誰かの“第二のふるさと”になっています。

阿蘇市地域おこし協力隊
長尾 昌樹(まちづくり課 所属)