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■戦争と平和と人権
◇戦後80年と世界の今?
8月15日は戦没者を追悼し平和を祈念する「終戦記念日」です。そして、2025年の今年は「戦後80年」と「広島・長崎への原爆投下80年」の節目を迎える年です。更に、「戦後100年」まで、あと20年。この80年の間に日本は焼け野原から復興を遂げ経済大国へ成長しました。一方で、戦争の悲惨さを知る世代が少なくなる中で、私たちは次世代へ伝える大きな使命を与えられています。世界では、ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルとハマスとの戦争、その他にも悲惨な戦争や紛争が今も続いており、奪われる日常・逃げ惑う人や動物など、これが現実なのかと驚くばかりです。

◇1945年8月に広島と長崎で起きたこと
・1945年(昭和20年)8月6日の午前8時15分、「広島」に人類史上初となる核攻撃として、一発のウラン型原子爆弾(リトルボーイ)が投下されました。
・広島の原爆投下3日後の8月9日の午前11時02分、プルトニウム型原子爆弾(ファットマン)が「長崎」に投下されました。
・「広島と長崎」の爆心地では、即死した人、即死をまぬがれても大量に浴びた放射線で命を落とした人が多くいました。また、生き残った被爆者も、被爆によりひどいやけどのあと(ケロイド)が残ったり、病気になるなど通常の生活が送れなくなったり、結婚や就職などで「差別」を受けたり、生涯にわたり苦しい思いをした人も多くいました。

◇平和と人権
「戦争は、最大の人権侵害です」戦後80年から何を学び、今後に、どう活かしていこうとしているのでしょうか。ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の活動は、核兵器は絶対悪だと訴え続けて、核兵器禁止条約の制定を後押ししました。しかし、唯一の被爆国である日本は現在加盟していません。これから、戦争体験者や被爆者の訴えを若い世代が受け継いでいけば、いつかは平和な世界が訪れて来ると信じたいです。大事なのは諦めず声を上げ続けることです。

争いは、あらゆる物から生命、からだや心の健康、大切な家族、穏やかな日常生活を奪い去っていく最大の人権侵害です。人権が尊重されることで平和が守られ、平和であることで人権が守られます。戦後80年の節目に立ち、私たちは再び「平和と人権の尊さ」を忘れず、未来に向けた争いのない世界を目指して努力を続けることが大切です。