くらし 特集 令和2年7月豪雨災害から5年(4)

■あの日から5年を迎えて
○球磨村社会福祉協議会
松舟 大吾(まつふねだいご)局長
令和2年7月豪雨災害から5年。当時のことは今でも鮮明に思い出されます。
朝3時から4分団長として救出と避難誘導などの消防団活動を行い、1週間後からは社協として災害ボラセン及び、避難所対応を行いました。被災した職員も多く、少人数での対応でしたが、地域の若者、避難している皆さんが一緒にお手伝いしてくださり、感謝の気持ちでいっぱいでした。
今後いつ起こるかわからない災害に対応できるよう、「豪雨災害を忘れないこと」、「職員の体制強化」、「地域のつながりをもつ」という教訓を未来につなげていきたいと思います。

○地下 翔太(ぢげしょうた)さん
あの災害から5年。まだ鮮明に蘇る記憶と共に、僕の人生は大きく変わりました。
役場職員として災害対応や復旧復興に携わる中で、心の奥底から湧きあがった想いは「もっと自分にできることがあるはず」その自分自身の声に従い、今しかできない挑戦に踏み出しました。
力不足で壁にぶつかることばかり。それでも球磨村には大きな可能性があると感じています。
子どもたちが希望を持ち、若い世代がこの村で事業を興し、またこの村に住みながら働ける。そんな未来になるよう、僕自身も色々なことに挑戦していきたいです。

○球磨清流学園
恒松 龍治(つねまつりゅうじ)校長
豪雨災害から5年。子どもたちと黙とうを奉げた時、災害直後から学校再開までの道のりを鮮明に思い出していました。当時、熊本県庁にいた私は、災害派遣として球磨村教育委員会に来ました。あの時の思いは一つ、「子どもたちの学びを止めない!」です。
未曽有の大災害から1カ月間での学校再開は、困難を極めましたが、地域力を結集して果たせた「学校再開」「仲間との再会」では、子どもたちの笑顔や感動の涙に溢れていました。清流から大海へと歩み出した球磨清流学園。これからも「学びの主体である子どもたちのために」歴史を刻んでいきます。

○球磨清流学園
児童生徒会長 大岩 凌(おおいわりょう)さん
7月豪雨災害から5年が経ちました。当時のことを振り返ると、いろいろな苦難やきついことがたくさんありました。その災害を通して、日常の生活のありがたさや周りの大人や友達の大切さを学ぶことができました。
現在、球磨村では、復興が進んでいます。自分が住んでいる地域でもたくさんの人が関わって復興が進んでいます。
これからは、いつ災害が起こるか分かりませんが、自分にできることを見つけ、地域に貢献していきたいです。

■あの人からの応援メッセージ
○前球磨村教育長
森 佳寛(もりよしひろ)さん
緑豊かな球磨村の自然、街並み、学校や人々の暮らしなど全てを変えてしまったあの豪雨災害から5年が経ちました。
一歩ずつ復興は進み、村の新しい風景が生まれています。当時小中学生だった子ども達も成長し、進学、就職と夢に向かって進んでいます。
辛く苦しかった経験は支援いただいた方々への感謝の気持ちと共に必ず成長の糧となるはずです。清流から大海に向かう若い力は、力を合わせ故郷の未来を創っていってくれることでしょう。
球磨村の更なる創造的復興を応援しています。
頑張れ球磨村!

○愛媛県庁職員
岡田 晃一(おかだこういち)さん
私は令和3年度から3年間、愛媛県からの派遣で農地や農道などの災害復旧事業でお世話になりました。農地関係は復興が遅々として進まずご迷惑をおかけしました。地元打合せでは豪雨災害の大変な生活のなか、明るく元気に復興に向けて取り組まれる姿を見て私の方が元気をいただいたことや球磨村の人の温かさを思い出します。近いうち、私も復興が進む球磨村を訪れたいと思いますので皆さまお元気でお過ごしください。愛媛からずっと応援しています。

○南阿蘇村役場職員
後藤 良太(ごとうりょうた)さん・渡辺 裕一(わたなべひろかず)さん
このたびの豪雨災害から5年、皆さまのたゆまぬご努力に、心より敬意を表します。
私たちも2年間、村職員の一員として公費解体や学校再建業務に携わらせていただきました。
一歩、一歩、着実に復興の歩みを進めておられる姿をいつも応援しています。
これからも心優しい球磨村の皆さまが、笑顔と希望に包まれていくことを心より願っています。

○大津小学校
長尾 彩賀(ながおあやか)さん
令和2年7月豪雨。当時、私は渡小学校に勤務していました。子どもたちの笑顔と元気な声があふれていたかけがえのない日常は、一瞬で奪われました。濁流の爪痕が残る中、避難所で見た子どもたちの不安そうな表情は、今も忘れられません。胸が絞めつけられる思いでした。けれど、そんな時でも地域の方々と子どもたちは互いを思いやり、支え合いながら、前を向いて歩んでいました。その強さと優しさは、今も私の心の支えです。
私は、そんな温かい人たちが暮らす球磨村が大好きです。この地から、これからも笑顔と希望が広がっていくことを心から願っています。