- 発行日 :
- 自治体名 : 大分県由布市
- 広報紙名 : 市報ゆふ 2025年5月号 vol.236
今回は庄内町にある県指定文化財「祖霊廟(それいびょう)宝塔」の紹介です。
大分県立由布高等学校の向かいにある碩南大橋を渡り、大分県立由布支援学校の方へ進みます。
少し進むと、右側の小高い場所に蓮乗寺があります。その墓地にある祖霊廟の横に2つの宝塔が並んで立っています。これが県指定文化財「祖霊廟宝塔」です。
もとは大字五ヶ瀬の安養寺跡にあったもので昭和45年4月5日に現在地に祖霊廟が建設されたのを機に移転されたと伝えられています。
向かって右側の塔は、基礎・塔身・笠・相輪からなっていますが相輪の上部を欠いています。
基礎の裏面に銘文があり、七人の名前が確認できますが一部判読不能な箇所があります。年号は確認することはできませんが、塔の形式からみて南北朝期のものであると推測されます。
向かって左側の塔は基礎・塔身・笠・伏鉢・請花・相輪とほぼ完全な形を今に伝え、総高235cmを測ります。
宝珠は四方を火炎で包む火炎宝珠で、伏鉢・請花の蓮弁は線彫りに近い、ごく浅い薬研(やげん)彫りで表現されています。
この宝塔は2mを超える規模にもかかわらず全体的なバランスに優れ、伸びやかな形状により石造物独特の重さや重厚感を感じさせない、柔和さを十分に引き出した秀逸な作品であると言えます。
※敷地内は蓮乗寺に御用がある方がいらっしゃいます。宝塔をご覧になる際は、ご配慮をお願いいたします。
問合せ:社会教育課
【電話】097–582–1203