くらし 市長独言No.94…鴨女町団地と城ノ浜

半世紀を超えて市民に住宅を提供してきた市営鴨女町団地の建て替えが始まっています。昭和30年代の建築でした。建物や設備が老朽化し、安全面や機能面での課題が出てきており、新しい住宅の整備が急がれていました。
鴨女町の現敷地での建て替えを機会に、市としては「公営住宅長寿命化計画」と「鴨女町団地建替基本計画」をつくって、榕城校区内の6団地を鴨女町に集約して建て替える計画を進めています。
新しい団地は鉄筋コンクリート造の4階建て、3棟計64戸で、エレベーターや太陽光発電設備なども備えます。測量、地盤調査などを2022(令和4)年度から始めており、事業の期間は、27年度までの6年間にわたります。スケジュールは、約5千平方メートルの敷地を南北二つの工区に分け、まず1工区として、南側にA棟(28戸)とB棟(16戸)を新築し、完成、入居後、2工区の旧住宅を解体し、C棟(20戸)新築に進みます。
1月14日にあった起工式は、空き家となっていた建物を解体した敷地内に、関係者が集まって催されました。鍬入れなどの式典を終えた後、まだ入居者のいる建物周辺を歩くと、団地ができて間もない頃の記憶がよみがえりました。
かつては競馬場もあった一帯は城ノ浜にほど近く、北西の季節風の強い冬場は、砂粒が顔に当たって痛かったことを思い出します。
鴨女町団地が通りぬけてきた70年近い間に、海浜の埋め立てが進んだだけでなく、私たちを取り巻く環境は、さまざまな変化を遂げています。住みよい島、よりよい暮らしを築くためにやることはたくさんあると、身をひきしめました。