くらし 島の四季彩 スイゼンジナ(キク科)

漢字表記:水前寺菜
別名:キンジソウ(金時草)
原産地:熱帯アジア
栽培適地:日当たりよく、肥沃で適湿な土壌
繁殖法:挿し芽
日本伝来は18世紀とされ、近年は緑黄色野菜として話題になっている植物です。多年草ですが、降霜地での越冬は困難です。熊本の特産野菜としてスイゼンジナ(茹でると水前寺苔のようになることによる)は知られており、金沢あたりではキンジソウ(葉の裏が金時豆の色に似ることによる)と称し、沖縄ではハンダマとして広く販売されています。春菊のような、強い香りがします。葉の裏は赤紫色をしており、抗酸化作用のある物質として知られているアントシアニンを含んでいます。若い茎葉は、お浸し、酢の物、炒め物、汁の実、天ぷらなどに調理されます。カロテン、カルシウム、カリウム、鉄、B2、Cなどを豊富に含み、沖縄では『血の薬』と称され、婦人に人気の野菜です。

写真・資料提供:香月茂樹さん(元薬草試験場長)