- 発行日 :
- 自治体名 : 沖縄県沖縄市
- 広報紙名 : 広報おきなわ 2025年10月号
◆ヤナムン出現の旧暦八月
今年の10月1日は旧暦の8月10日。カレンダーをよく見ると、「シバサシ(柴差)」と書かれていませんか。旧暦8月10日頃は「ヤナムン(魔物や亡霊)」が出るとされる時期です。この時期、家を守るため、ススキやクワの葉で作った「サン」を家の四隅に差し、魔除けとします。これを「シバサシ」と呼びます。現在の沖縄市でも、門やフェンスに青々としたサンが差されている家を見かけます。
昔は同じ時期に「ヨーカビー」という行事もありました。夜中、人々が高い場所から集落を見守っていると、丸い火の玉がぽっと上がる。これは「タマガイ」と呼ばれ、災いの兆しでした。タマガイが出た屋敷の人は家を出て、3日ほど浜に仮小屋を建てて過ごすなど、大がかりな厄払いをしたそうです。戦後はあまりタマガイを見なくなったと聞きますが、一晩みんなで集落を見守る行事、不気味で怖いけどちょっと体験してみたい気も……まさに怖いもの見たさですね。
(文化財調査専門員 八田 夕香)
問合せ:文化財課
【電話】098-932-6882
