- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道美唄市
- 広報紙名 : 美唄市広報「広報メロディー」 2025年7月号
帯状疱疹(ほうしん)ワクチンの定期接種が始まりました
帯状疱疹を発症すると激しい痛みを生じたり、人によっては痛みが長い期間続くことがあることをご存じの方は多いと思います。そのため、これまでも自費で帯状疱疹のワクチンを接種する方がいらっしゃいました。この帯状疱疹ワクチンが、今年4月から接種費用の一部を公費で助成してくれる定期接種となりました。このワクチンには、帯状疱疹の発症や重症化を予防する効果があります。また、帯状疱疹の発疹が治っても3カ月以上痛みが続く「帯状疱疹後神経痛」の発症を防止する効果も期待できます。美唄市が定める接種対象となる方は、ぜひ接種をご検討ください。帯状疱疹のワクチンには「生ワクチン」と「不活化ワクチン」の2種類ありますので、それぞれの特徴をご紹介します。
生ワクチンは、もともと水ぼうそうのワクチンとして開発されました。接種回数は1回で済み、費用も不活化ワクチンの約5分の1と比較的安価ですが、予防効果は50~60%とされ、高齢になるほど効果が減弱し、効果の持続期間も5年程度と考えられています。それに対して、不活化ワクチンは接種費用が高く、2カ月ほどの間隔を空けて2回接種する必要がありますが、予防効果は90%以上で高齢者でも効果の減弱はなく、10年程度の持続期間があるとされています。
帯状疱疹は80歳までに3人に1人が発症するとされ、近年特に高齢者の発症が増加傾向にあります。私は高齢になるほど不活化ワクチンをお勧めしますが、迷う場合にはかかりつけ医にご相談ください。
〔執筆者紹介〕
美唄市医師会・井門明
井門内科医院院長