くらし 《特集》明日が変わる『通いの場』(2)

■参加者の声
●東光町自治会 福祉部 健康増進係
渡部京子(わたなべきょうこ)さん
体操やお茶会などをしている通いの場「東光町自治会福祉部健康増進係」に10年ほど通い続けている渡部さん。長年通い続けるきっかけや魅力を伺いました。

▽「前より動きやすい」体の変化を実感
私たちの通いの場では、もともとストレッチや体操を中心に活動していました。
10年以上前、通い始めた頃の私は、正座もできないほど体が硬くて、会の活動にあまり気が進まなかったのですが、しばらく通ううちに、ふと「前より動きやすいかも」と感じた瞬間があって、それが通い続ける大きなきっかけになりました。
会の活動には、必ず体操の時間があります。最初はできなかった動きが少しずつできるようになると、それが自信につながって、もっと身体を動かしてみようという気持ちが生まれてきます。

▽誰もが楽しめるモルック
体操だけでなく、みんなで話し合いながらいろいろな活動をしています。
江別第二地域包括支援センターの方が協力してくれて、最近では新しくモルックを活動に取り入れました。木の棒を的に当てて、チーム対抗で点数を競いながら、楽しくプレイしています。狙った的に当てられたときは、みんなでハイタッチして喜びます。
思ったところに木の棒を投げられないところも面白く、つい夢中になります。きつい運動ではないのに、自然と運動になっているところも魅力だと思います。

▽みんなの顔を見るのが楽しみ
ここに来たらみんなに会えるのが楽しみで通い続けています。
また、以前は地域で顔を見たことがあっても話したことのない人が多かったのですが、この会に通い始めてから、たくさんの人と知り合い、地域の交友関係がぐんと広がりました。クリスマス会や新年会などの季節のイベントには、会員以外の方も顔を出してくれるので、会の垣根を越えた、地域全体のつながりも感じています。
月に数回でも、誰かと会って話す機会があるというのは心の支えになります。会の雰囲気はやわらかく、初めての人もすぐに溶け込めるような空気があって、長く続けたい場所だと思っています。最近は新しい方も加入し、年齢を問わず楽しめる雰囲気がより感じられるようになってきました。

●いちえ会
渡辺幸男(わたなべゆきお)さん
体が動きにくいなかで、絵画の屋内教室や屋外写生会をしている通いの場「いちえ会」に通う渡辺さんに、通い続ける理由や魅力を伺いました。

▽新しい描き方にも挑戦
会社勤めの頃から絵を描いていたのですが、近所の方に誘われて、いちえ会に参加しました。
いちえ会では油絵でも水彩でもアクリルでも、好きな描き方で自由に描けます。私はこの会で新しい描き方にも挑戦しています。
花や果物、民族衣装など、普段描かないような題材も季節に合わせて描くことができます。
自分で描いた絵を友人などに渡して喜んでもらえると、本当にうれしくて、描いてよかったと思います。

▽雰囲気が良くて誰でも参加しやすい
みんな絵が好きで、黙々と描くだけでなく、作品を見せ合って話をしています。気軽に「その絵いいね」「ここどうやって描いたの?」と声をかけ合える雰囲気なので、自然と会話も生まれます。みんな話す事が好きなので、初めて参加した人でも打ち解けやすいやわらかい雰囲気だと思います。
また、年間予定が組まれているので、自分のペースで無理なく参加することができます。分からないことがあっても先生が教えてくれたり、アドバイスをくれるので、絵を描き慣れていない人でも楽しめる環境です。絵に興味があればぜひ参加してほしいです。

▽絵を通じて気持ちが前向きに
私はいくつか病気を抱えていて、家にいるとどうしても病気の痛みや不安を感じてしまいます。ですが、ここに来ると、好きなことを共有できる仲間がいて、好きな絵を描いたり、誰かと話したりするなど肩の力を抜いて過ごせるので、自然と笑顔になれます。
また、絵が完成したときに達成感が得られるのも嬉しいですし、体や頭を使うことで生活にメリハリが出て、日々が楽しみになります。
家でじっとしているよりも、ここにいると気持ちが前向きになり、病気のことを忘れられるので、この会にはとても感謝しています。

■通いの場DATA(データ)
通いの場に参加している人と参加していない人を比較すると?

▽要介護認定率が半減
サロン(通いの場)の参加と要介護認定率
・参加なし…14.0%
・参加あり…7.7%
参考:第3回次期国民健康づくり運動プラン策定専門委員会(平成24年1月)資料1

▽認知症発症リスクが3割減
サロン(通いの場)の参加と認知症発症のリスク

参考:引地博之「憩いのサロン」参加で認知症リスク3割減 ―7年間の追跡調査―.Press Release

▽幸福度が22%高い
通いの場参加者の幸福度(0~10点で評価)

参考:江別市高齢者総合計画の策定に関する実態調査

問合せ:介護保険課
【電話】381-1067