健康 健康〔健康コラム〕

■依然としてCOVID-19ワクチン接種は重要です
・富良野医師会 角谷(かくや) 不二雄さん

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は令和5年5月に感染症法上の位置付けがインフルエンザと同じ5類感染症に変更され、全国の定点医療機関からの報告をもとに監視されています。報告数は、令和5年の第9波から令和7年の第12波にかけて減ってきています。マスコミがCOVID-19を取り上げる頻度も減っており、「もう終わった」と感じている方も少なくないでしょう。しかし、感染状況を反映する客観的指標となる下水中のウイルスRNA濃度は減っていません。実際の患者数はもっと多いと考えられます。そして、死亡数は令和4年が47,638人、令和5年が38,086人、令和6年が35,865人と3年連続で3万人を超えています。この数は季節性インフルエンザの約15倍に達します。死亡者のほとんどが65歳以上です。COVID-19は、とくに高齢者にとって依然として恐ろしい病気なのです。
日本人におけるCOVID-19ワクチンの有効性に関する長崎大学を中心とした研究があります。令和6年10月から令和7年3月、発症予防の有効性は54.6%、60歳以上の入院予防の有効性は63.2%と有意でした。オミクロン株が出現した2022年以降、自然感染による防御効果は大幅に低下しています。COVID-19に罹ったことがあるから、心配はないなんていえません。免疫力を維持するためにはワクチンを繰り返し接種し続けることが重要なのです。令和4年1月~2月の第6波における重症化率・致死率をみると、とくに高齢者では3回以上接種で著明に低下していました。また、ワクチン接種により、longCOVIDと呼ばれる遷延する罹患後症状の発生率を減ることも報告されています。65歳以上の方は、定期接種として自己負担は少なく設定されています。ぜひ、COVID-19ワクチンの接種を受けられるようお勧めいたします。