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■優良読書グループ表彰で北海道表彰を受賞
(恵庭市図書館ボランティア黄色いエプロンの会)
北海道読書推進運動協議会による令和6年度「優良読書グループ表彰」において、恵庭市図書館ボランティア「黄色いエプロンの会」が北海道表彰を受賞しました。
同会は、市民から寄せられた不要本を整理し、「本のリサイクル市」で販売。その売上金で新たな本を購入し、図書館へ寄贈する活動を長年にわたり続けていることが評価されました。今回は、そんな「黄色いエプロンの会」の活動について紹介します。

◇「黄色いエプロンの会」の発足
「黄色いエプロンの会」は、日頃から図書館をよく利用していた川端信雄さん(初代会長)が、「お世話になっている図書館に恩返しをしたい」と考えたことをきっかけに発足しました。図書館ボランティアを募ったところ、中学生や主婦など21人が集まり、平成11年7月8日に活動を開始しました。
会の目的は「市民のための図書館づくり」を支援すること。発足当初は、館内整理や貸出本の修理、図書館前の花壇整備などを行っていました。

◇「本のリサイクル市」の開催
活動を開始した年の9月には、初めて「本のリサイクル市」を開催。これは、各図書館に設置したリサイクルボックスを通じて家庭で不要になった本を集め、それらを点検・仕分けしたうえで、市民に格安で提供する催しです。さらに、売上金で新たな図書を購入し、図書館へ寄贈することを目的としています。
初回開催以降、毎年春と秋の年2回開催しており、これまでに計47回実施。累計売上金は333万円を超え、寄贈した図書は914冊にのぼります。

◇ある日の活動に密着
現在の活動を詳しく知るため、会長の米山善博さんに話を聞きながら、作業の様子を取材しました。
会の活動日は毎週火曜と金曜の10時から12時。現在の会員数は17人です。
この日は、図書館本館に設置されたリサイクルボックスの確認作業を行いました。
ボックスを開けると、大量の本が入れられていました。会員たちは手分けして冊数を数え、この日は計410冊を回収。その後、本を漫画・絵本・小説などのジャンル別に仕分けました。
仕分けが終わると、汚れや傷みをチェックし、販売価格別に収納します。
販売価格は、漫画や小説、絵本が10円~50円と、非常に安価なのが特徴です。

◇市民と育む「読書のまちえにわ」
米山さんに今後の活動について尋ねると、「会の皆は本が好きで、これまで図書をよく利用してきました。少しでも図書館に恩返しができるよう、図書の寄贈などを続けていきたいです」と語ってくれました。
市が推進する「読書のまちづくり」を支えているのは、「黄色いエプロンの会」をはじめとするボランティアの皆さんです。誰もが等しく読書に親しめる環境をつくるため、地域ぐるみで読書のまちづくりを推進してきました。その結果、豊かな読書環境が整い、人と地域のつながりが深まっています。
今後も、この素晴らしい活動が続いていくことを期待しています。