文化 文化財のひろば・シリーズ184

■遺跡の年代はなぜ分かる?(1)
博物館等で「この遺跡は○○年前の~」というような説明を聞くことがあるかもしれませんが、遺跡の年代はなぜ分かるのか疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。ポイントは大きく2点あり、1点目は遺跡が見つかったときの「土」を観察すること、2点目は出てきた資料の特徴を観察することです。今回は、このうちの「土」を観察することの重要性をご紹介します。
地面は基本的に下から上へと順番に堆積します。その中で、多くの火山灰はこれまでの調査や研究により、どの火山から何年前に噴火したものかが明らかとなっています。
また、昔の人たちが生活していた地面の多くは黒ずんでいるのが特徴です。そのため、火山灰の間で黒い土が見つかることで、遺跡の年代を推測することができます。
現在見学会の参加を募集している鷲ノ木遺跡では、当時の黒色土も保存しています。現地を間近で見ることができますので、土もぜひ観察してみてください。
I層:現在の私たちが生活している地面
II層:1640年に噴火した駒ヶ岳の火山灰
III層:10世紀~17世紀頃の人々が生活していた地面
IV層:約1,100年前に噴火した白頭山の火山灰
V層:縄文時代の人々が生活していた地面
VI層:約6,000年前に噴火した駒ヶ岳の火山灰
VII層:縄文時代の人々が生活していた地面
VIII層:人々が森町で生活を始める前の地面