- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道黒松内町
- 広報紙名 : 広報くろまつない No.569 令和7年10月号
◆ブナは紅葉?黄葉?
ブナの葉は何色に色づくのですか?とよく聞かれます。
図鑑には「秋には黄色に色づく」とありますが、実際に観察してみると、黄色から黄金色に、さいごに琥珀色に近い茶色となって散っていきます。
ですから、ブナの場合、「紅葉」(こうよう)ではなく「黄葉」(こうよう)と表現します。
◆ブナの黄葉は遅い
ブナ林では、9月下旬頃、ツタウルシやヤマブドウなどのつる性植物の紅葉が始まり、10月前半には、イタヤカエデやハルニレなど、多くの樹木が色づき始めます。ブナの黄葉はやや遅く、10月20日前後、他の木々が散り始める頃にようやく黄色くなり始めます。
ただし、その年の気候によって黄葉のすすみ具合は異なり、一気に全体が黄金色になって、散っていく年もあれば、緑色と黄色と茶色の葉が混在した状態が長く続く年もあります。
◆今年はブナの実は不作
昨年、歌才ブナ林では、ブナの結実調査を始めた1994年以来、最多の大豊作年でした。これまでの調査で、豊作年の翌年は花を咲かせないことが多いとわかっています。結実に大量のエネルギーを使い果たしてしまうのでしょう。今年の春もブナの花は観察できませんでした。よってこの秋は、ブナの実はほぼゼロの年となりそうです。
▽歌才ブナ林の結実量の変化(1994年~2024年)