くらし 片山町政16年のあゆみ(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道ニセコ町
- 広報紙名 : 広報ニセコ 令和7年10月号
2009(平成21)年10月9日にスタートした片山町政。
2025(令和7)年10月8日、その幕が下ります。
どのような思いでまちづくりに取り組んできたのか。
16年間の取り組みを片山町長に語っていただきました。
◆01 まちづくりへの思い
情報共有と住民参加により、町民が自ら考え行動するまちづくりを推進し、過去の行政依存体質からの脱却を目指す「ニセコ町まちづくり基本条例」を根幹に町政を推進。特に、就任後は「財政民主主義」の確立を目指し、予算編成に関する会議も公開をしてきました。
1922(大正11)年に農地解放という偉業を達成した有島武郎の「相互扶助」の理念の生きるまちとして、「スピード、公正、思いやり」を基本に、行財政改革とともに教育予算の拡大と防災対策を強化。地域の資源・エネルギー・経済が循環する共感資本社会への土壌はできつつあるものと思います。
私が目指してきた「地方分権」は、現在停滞していますが、基本的人権が守られ、民主主義社会が機能する自治体への基礎を今後さらに発展させていただきたいと期待しています。
主な公職歴:
・水資源保全全国自治体連絡会顧問
・国民保養温泉地協議会会長
・全国首長連携交流会共同代表
・後志広域連合連合長 など
◆02 財政健全化への取り組み
16年前は、大変厳しい財政状況でしたが、緊縮財政の中で事務事業にあっては、国からの各種制度補助や交付金を最大限に活用するとともに、国などへの働きかけで新たなモデル的補助金の創設を提言し活用するなど、町費の抑制に努めてきました。町職員や議会のみなさんのご協力のおかげで、財政を大きく好転させることができ、当時の実質公債費比率16.6%を4.2%と、全道179市町村中7番目(令和5年度)に良い数値とすることができました。
国勢調査におけるニセコ町の人口推移


※実質公債費比率とは、町の人口や面積などに応じ標準的にかかるお金に対して、借入金(町債)の返済にあてた経費(公債費)がどの程度の割合になるかを示す指標です。令和5年度の全国の町村平均は7.6%、全道の市町村平均は7.1%です
◆03 環境と景観の保全
2002(平成14)年3月に町民参加でまとめた「ニセコ町環境基本計画」。環境基本条例や景観条例の「良い環境を子どもたちに残したい」、「美しく雄大なニセコ町の風景を守り育て、豊かな自然の恵みを将来の世代に伝えたい」という理念実現のため、町の眺望を阻害する超高層の建築物や囲い込み型の大規模リゾートについては、町内での開発をお断りしてきました。水資源は条例を制定するなど、環境保全や地球環境負荷低減への道筋を付けることができました。
◆04 人材・育成
子育てしやすいまちづくりの一環として、ファミリーサポートセンターの設置や幼児センターの教室増築、学童保育所の開設を行いました。また、子ども学用品や各種授業の保護者負担の軽減をするとともに、18歳までの医療費の無償化を実施、小・中学校児童生徒の給食費無償化への取り組みを開始。また、各学校の特別支援教室の整備や校舎・体育館の大規模改修・耐震改修および各学校の教頭住宅の建て替え、教職員住宅の改善を実施。町立ニセコ高校については、寮の環境整備に着手するとともに、全日制や定員増を目指す、教育委員会の取り組みを支援することができました。
