- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道栗山町
- 広報紙名 : 広報くりやま 令和7年12月号
■地域に寄り添う赤十字病院として
栗山赤十字病院は、約2年間の工事期間を経て本年11月4日、新病院での医療提供が始まりました。
総合受付から外来診察室・会計が一つのフロアに配置され、検査室も1階にまとめられました。これまでの12診療科を維持し、地域に寄り添う病院として新たな歩みを始めました。
〈栗山赤十字病院のあゆみ〉
昭和27年 町立栗山病院として開院(102床)
昭和29年 日本赤十字社北海道支部が病院経営を受託栗山赤十字病院となる
昭和35年 135床に増床
昭和38年 精神科病棟完成(185床)
昭和55年 病院増改築本館完成(305床)
平成11年 精神科病棟廃止(一般病棟180床)
平成15年 地域医療連携室開設
平成17年 人工透析センター新設
令和7年 新病院開院(103床)
〇栗山赤十字病院 看護部長 下山美由紀(しもやまみゆき)さん
各入院病棟のナースステーションは、ほぼ全病室が見渡せ、廊下を歩く患者さんやラウンジで寛ぐ患者さんの様子もわかるような配置となっています。広く明るい病室からは、栗山町の街並みを眺めることができ、快適に療養生活が送れることと思います。
新しい病院で全職員気持ちも新たにして、患者さんが一日も早く退院できるよう「看護の心」を実践していきたいと思います。
〈近年の栗山赤十字病院の取組み〉
・令和5年10月 訪問看護ステーション開設
・令和6年5月 地域包括ケア病床設置
・令和7年9月 24時間訪問看護ステーション開始
・令和8年1月 南部地区巡回診療開始(予定)
▽新しい機器の導入
MRI(磁気共鳴画像法)は、磁場と電磁波を使って見えない体の中を詳しく調べることのできる検査機器です。
MRIの導入によって、全身の幅広い部位を調べることが可能となりました。特に、頭部や脊椎、内臓(肝臓や胆のうなど)、子宮、前立腺といった比較的動きが少ない部位の検査を得意とする機器です。痛みを感じることなく被爆の心配もないので、高い安全性をもって多くの病気の早期発見に貢献できます。今後は、町外の医療機関へ足を運ぶことなく町内で検査が受けられ、皆さまの負担が軽くなり、治療がよりスムーズに進められます。
▽新病院での新たな出発
平成22年より病院のあり方の議論をしてまいりました栗山赤十字病院ですが、念願の新病院を開院することができました。物価高騰で、当初の予定より設備の縮小を余儀なくされましたが、患者さんの期待を損なわないように、最大限の費用削減に努めながら、どうしても譲れない医療水準や、患者さんの快適性を保つように配慮いたしました。
▽新病院の特徴
近年、医療に求められるケアの質は変化しており、高い安全性と快適な医療提供、看護の効率や働きやすさをうまく両立できるよう、病室と外来の構成を工夫しております。外来は1階に集約し、待合室も広くし、栄養指導やソーシャルワーカーとの面談スペースも多く取りました。
また、建物の断熱性を高め、感染対策強化のために空調設備を整えました。
▽地域に寄り添う病院を
〇栗山赤十字病院 院長 天崎吉晴(あまさきよしはる)さん
当院は中小規模の病院ですから、できることに限りはありますが、例えばリウマチ科や、北大医師による整形外科診療など、栗山町で専門的な医療を提供できることは、当院の強みでもあります。
また、赤十字病院の使命の一つに、救急と災害時の対応があります。栗山町も災害とは決して無縁ではありません。いざという時は、東日本大震災や、能登の震災などに派遣した災害現場経験のあるスタッフを活用して、効率的に支援したいと思っております。
当病院はこれまで以上に、地域に寄り添う病院を目指し努力を重ねてまいります。
