くらし まだまだ活かせる 地域資源としての空き家再生(1)

空き家は管理がされないことも多く、所有者が不明となって、近隣住民に迷惑がかかるなど、地域課題となっています。令和5年度に行った調査で、栗山町には約300戸の空き家があることが分かりました。同時に行った空き家所有者アンケート調査では、「どうしたらいいか分からない」、「住む予定もないが手放したくない」など、今後の方向性が決まっていないとの回答が多くありました。
空き家を手放したいと考えていても、「なにから始めたらいいのか分からない」、「そもそもこの家を利活用したい人が現れるのか」、「費用は?」という不安から、先に進めないケースも多くあります。
空き家の活用に着目し、事業用途で活用されている方を中心にお話を伺い、中古物件だから実現したこと、「空き家の可能性」や「栗山町の不動産ニーズ」などについて探り、空き家が利活用されることでまちにどんな影響があるのか、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

▽栗山町の空き家の現状
栗山町には、空き家所有者と空き家を求める人をつなげる「栗山町空き家バンク制度」があります。空き家バンクの物件登録は過去3年間で54件ありましたが、空き家探しの相談件数は125件と、登録件数を大きく上回る状況です。
相談内容は、ご自身の居住目的だけではなく、住居以外での活用希望が約4割となっています。飲食店の開業や宿泊施設、さらには購入した空き家をリフォームして売却や賃貸を目的としたものなど、多様な需要があります。
また、戸建ての賃貸物件は比較的早く借り手がつくのが現状です。宿泊施設として活用される住宅も少しずつ増えてきています。こうした状況からも、空き家は地域の大切な資源として活用が期待されていると言えます。

空き家バンク登録件数

空き家相談件数(買いたい人)

買いたい人の活用目的の割合(令和4年度~6年度の合計)

▽空き家を所有することになったら
空き家が増加した要因の一つに、子ども世代が親の建てた家に住まなくなったことがあげられます。令和6年の法改正で相続登記が義務化されました。これに伴い、当事務所への登記手続きのご依頼は体感で2~3割ほど増加しています。
家を相続することになったにもかかわらず長期間放置してしまうと、空き家の利活用や処分を検討する際に、相続人調査だけで多くの手間と費用がかかります。相続人の中に行方不明の方がいたり、連絡が取れても協力が得られなかったりする例もあり、後の世代に大きな負担が生じる可能性があります。
過去には、売買契約がほぼ成立し、測量などの準備もすべて整った段階で、ご高齢だった所有者が亡くなられ、手続きに大きな負担が生じたケースもありました。相続した住宅はなるべく早く手続きをした方がスムーズです。
また、過去に取得した謄本を含め、相続手続きに必要になる戸籍などの書類は、とっておくことをお勧めします。住宅に関する書類も同じで、契約書や図面、建築許可証なども保存しておくと手続きに役立ちます。
さらに、あらかじめ任意後見人を選任し公正証書を作っておくことで、子の負担を減らすこともできます。事前の備えに、エンディングノートの活用もおすすめです。
相続について話すことに抵抗を感じる方もいらっしゃるかと思いますが、将来ご自身の住宅をどうするか考え、ご自身やご家族のために、一度ご家族で話し合う機会を持っていただければと思います。
石岡浩一事務所 司法書士 石岡浩一(こういち)さん

札幌法務局発行のエンディングノートはこちらから閲覧できます。
(本紙5ページにQRコードを掲載しています)