- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道北竜町
- 広報紙名 : 広報ほくりゅう 令和7年11月号
診療所長 浦本幸彦
■自主トレ開始
過ごしやすい秋はあっという間に通り過ぎ、肌寒い晩秋から冬へ突入しそうです。農家仕事もおおかた片付いてきたのではないでしょうか。
これを書いている今は10月の半ばで日本もアメリカも野球はポストシーズン真っ只中です。ホークスとドジャースが気になりますがどうなっているでしょうね。
そうそう、以前も書いたことがありますが農家の仕事と野球の仕事はシーズン制で似ていますね。雪が解けて暖かくなってくると活動が始まります。作付けや田植えなどを経て夏の暑い環境での作業。その後収穫や後片付けとなります。ただし野球はシーズン開幕前にキャンプを行います。キャンプと言ってもテント張って焚火するヤツではなく体や心の準備を本番に向けて向上させていきます。キャンプが始まる前も自主トレと言って体の故障や弱った箇所の治療、更なる進化を求めて自主的な活動なども個人で行っています。準備を万全に整えてシーズンを迎えます。さすがプロです。
さて片や我らが農家チームは如何でしょうか。秋から冬の農閑期に治療を行うのはよく拝見しています。肩や腰の手術や整形外科的以外にも手術などの大掛かりなメンテナンスを行ったりしています。このあたりはプロ野球選手と同じですね。まさに身を粉にして働いている証です。そうそう、引退したお姉様やお兄様方も家庭菜園的(にしてはややデッカイ北海道レベル)な農作業に携わっています。それら先輩方もプロ野球選手と同様のシーズン制で活動されています。
さて現役農家さんやOB、OGの方々の自主トレや春季キャンプはいかがでしょうか。よく患者さんにお聞きするのですが、あまり良いご返事を聞いたことがありません。特にOGの方々は多くの確率で春の作業が始まったあたりで下肢の「つり」(いわゆるこむら返り)を起こして受診されます。これなどは準備不足の最たるものでしょう。
現役の方々も春季キャンプはしていない場合が多いようです。春の作業開始時に医療機関を受診しなければいけないような支障は出ていないようですが、大丈夫でしょうかね。ケガなどの予防にも冬の間に準備しておくことは有意義だとは思うのですが。
いつも診察室で言っているのですが「農作業は労働であって運動ではありません」。使う関節や筋肉はほぼ固定されており単一運動による炎症や障害の元になる場合が多いでしょう。じっと座っているよりは歩き回ったりするのでプラスにはなりますが。
OB、OGの方々!畑仕事さえしていれば運動の代わりになっているなんて通用しませんよ。一日の中で体のすべての筋肉や関節を動かしてやって下さい。曲げたり、延ばしたりひねったり。自己流で結構。短時間で結構。でもやるとやらないは雲泥の差です。さあそろそろ自主トレ開始の季節です。
◆北竜町立診療所
休診日のお知らせ
11月12日(水)、12月3日(水)は午後1時30分より、浦本先生が深川市において介護認定審査会に出席のため、午後より休診となります。
