くらし 花のまち随想
- 1/28
- 次の記事
- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道東神楽町
- 広報紙名 : 広報東神楽 2025年6月号(第729号)
東神楽町長 山本進
4月は比較的寒い日が多く、春が来たような感じがするとまた冬に逆戻りという場面もありましたが、桜の季節を経て、ようやく春らしい日が続いています。
農作業も本格化し、農家の皆さんには事故もなく安全に農作業にあたっていただき、豊穣の秋が迎えられることをお祈りしております。
全国的には、「令和の米騒動」というべきか、米の値段の高騰と品不足で大きな話題になっています。東神楽町内からは毎年約8000トンの米の収穫があり、令和4年度の統計では7950トンでした。これは、日本人1人あたり年間で50kg食べると推計すると、約16万人分もの量となります。近年、燃料や資材の高騰もあり、農家の経営も厳しい状況が続いており、今回のお米の値段はいろいろ議論はあります。しかし、生産者が翌年度あるいは未来に向けて再生産ができ、消費者も安心して買える値段というのが主食として必要なのだと思います。今年の状況は異常だと思いますが、改めて私たちにとって、主食のお米は必要だと認識しているところです。米を生産する産地としては、価格の乱高下を招くような政策をとるというよりは、安心して生産できる単価を維持できるよう期待するとともに、関係機関などと連携をしながら、国などに要望していきたいと思っています。
東神楽町では、国の事業として、国営緊急農地再編整備事業が2か所で行われています。また、忠栄地区では、北海道によって同様の土地改良事業が行われています。農業も効率化が求められるのは当然ですが、そのためには、収量が上がり、維持管理がしやすい農地に整備することが必要で、現在も進行中です。令和6年度までに旭東東神楽地区で工事全体の36%が終了し、聖台地区の旭東地区では、今年度からほ場整備が始まる予定です。この事業には多額の国費が投入されるとともに、北海道や町、農家もそれぞれ負担しながら進める事業となります。物価高騰もあり、当初に予定していた建設費からは増加する見込みですが、まさに国の食糧を守り、地域の産業を守る投資となる事業です。今回の米をめぐるさまざまな動きを見て、改めて北海道にある東神楽町として、食糧生産の重要性を感じるとともに、責任も大きくなっていると思います。国民への理解ももっと広がっていかなければいけないとも思っています。