くらし 東神楽町ゼロカーボンシティへの挑戦

◆花がつなぐエコな未来
初夏の東神楽町。町内のあちこちに色とりどりの花が咲き、爽やかな風に花の香りがほんのりと漂います。この美しい風景は、町民皆さんの花づくりの賜物です。東神楽町は昭和から続く「花いっぱい運動」で全国に知られる「花のまち」です。昭和44年には役場の花壇が全国コンクールで内閣総理大臣賞を受賞するなど、町ぐるみで花を育ててきた歴史があります。毎年この季節になると、町内各所で住民有志が花壇づくりに汗を流し、初夏の彩りを添えてくれます。今年も6月末には、ひがしかぐら森林公園で恒例の「フラワーフェスタ」が開催されます。子どもから高齢の方まで花と緑に親しみ、笑顔を花と一緒に咲かせましょう。

◇花が育むエコ意識と環境効果
色とりどりの花々は見る人の心を和ませるだけでなく、実は環境にも小さな恩恵をもたらしています。植物は光合成によってCO2を吸収し酸素を生み出します。もちろん花壇の草花一株あたりが吸収できるCO2量はわずかですが、それでも成長過程で数十グラムから100グラム以上のCO2を吸収するという試算もあります。微々たる数字かもしれませんが、「塵も積もれば山となる」です。町中に花と緑が増えれば、その分だけCO2吸収の場が広がることになります。さらに、落ち葉や枯れた花を堆肥にすれば炭素を土に還元でき、化学肥料の使用を減らして土壌改良にも役立ちます。
花や緑がもたらす効果はそれだけではありません。盛夏に向けて葉が生い茂れば日差しを和らげ、周囲の気温を下げる「緑のカーテン」にもなります。グリーンカーテンで室温上昇を抑え、エアコンの設定温度を1℃上げるだけでも夏のCO2排出を約11kg減らせるという試算があります。花を育てることが、楽しみながら省エネ・温暖化対策につながります。

◇花でつながる人と未来
花壇づくりやフラワーフェスタといった活動には、人と人とをつなぐ力もあります。家族やご近所同士で花を植え、水やりをする時間は、世代を超えて交流する機会にもなっています。フラワーフェスタでも、花をテーマにした仮装をした子どもたちが会場を駆け回り、自然への関心を楽しみながら育んでいます。こうした花を通じた交流や学びは、単なる癒やしに留まらず、「自然を大切にしたい」「自分も環境にいいことをしてみよう」という共感を生み出します。
例えば、こんな工夫もできます。
・満開の花壇を見たら、車ではなく自転車で通ってみる。
・庭で育てたハーブを食卓に使い、買い物を減らしてみる。
花を育てることで天気や季節の移ろいに目が向けば、自然に寄り添った暮らしが少しずつ日常になっていきます。
ゼロカーボンというと難しく聞こえますが、こうして身近な花や緑から始まる取り組みであれば、私たちにも楽しく続けられそうです。美しい花が咲き誇る未来を守るために、今日から私たちも一緒に始めてみませんか。

問合せ:まちづくり推進課
【電話】83-2113