子育て 《連載》家庭教育シリーズ 第357回

◆未来に夢や希望がもてる子に
上富良野小学校長 桑原 久美
国が認知している子どもに関わる課題の一つに、「将来の夢を持つ子どもの割合が国際的に見て低い状況」があります。本校の児童は、昨年度の全国学力・学習状況調査において「将来の夢や目標を持っていますか」の質問に「あてはまる」「どちらかといえば、当てはまる」と回答した児童の割合が、全国平均より下回っていました。
将来の夢を持たせるためには、何をしたらよいのでしょう。学校図書館にある「夢のかなえ方」(旺文社)という本を読んでみると、第1章に「好きなことを見つけよう」から始まっています。自分の得意なこと、自分の才能を知ることから、夢を見つけることにつなげています。そこから大人ができることを考えると、好きなことや得意なことが見つけられるよう、その機会をつくることでしょう。
自分の子どもの頃を振り返ると、オルガンなどの楽器が身近にあり、それを演奏する両親がいました。真似して演奏する私に、ピアノの教則本を買い与えてくれたので、楽譜の読み方やピアノの基礎を学ぶことができました。偶然だとは思いますが、この環境で生まれた「音楽が好き」という気持ちが、ずっと私の人生を作り上げていました。音楽の免許をもつ教員として歩むことになったのですから。
親やきょうだいのしていることに関心をもつ子どもは多いと思います。スポーツや音楽など実際に体験してみることでやってみたいと思う子どももいるでしょう。一緒にテレビを見ながらの何気ない会話から、興味あることを見つけることもあるかもしれません。まずは、子どもの目がいろいろなことに行くよう、促してみましょう。