くらし 野生動物対策の状況

■エゾシカ
前号にて、この春はシカの肉付きが良い印象だと申しましたが、改めて捕獲個体の体重計測値を調べてみました。齢級、性別ごとに異なりますが、どの区分でもおおむね共通しているのは、特に軽い個体がいないことです。代表例として大人のメスのグラフを載せました。毎年、冬の間に痩せて体重を落とし、4月はどん底ですが、今期は平均以上の個体でそろっており、印象が裏付けられました。

シカのボディコンディションが良いことは、繁殖力や採餌量(農作物被害量を含む)にも影響すると思われます。私たちもシカ肉でしっかり力をつけて、捕獲を含む対応に励みたいと思います。
4月の駆除捕獲数は50頭で例年と比べやや豊作でした。5月も同程度が見込まれます。

■ヒグマ
5月も20日までの時点では目立った動きはなく、おおむね山林内でおとなしくしているようです。これからの季節は釣りやフキ採りのために人が山林に分け入り、草が伸びて見通しは悪くなり、いくらヒグマがおとなしくしていても遭遇、事故のリスクが高まります。また上トマムの市街地周辺では毎年6月にはヒグマが出始めており、今年の動向が気になります。6月4日には今期最初のヒグマ対応訓練を上トマムで実施予定です。詳しくは広報折り込み資料をご覧ください。

■そのほか
酪農学園大学の調査研究チームの活動が始まりました。調査に先立って農家さんのシカ防除柵を補修して回るほどの律義さですが、これもヒグマの侵入情報を集める大事な布石なのです。村も協力して取り組んでまいります。

問合せ:農林課林業振興室野生鳥獣専門員
【電話】56-2174