健康 健康メモ ~よく起こる ぐるぐる回るめまいとは

「良性発作性頭位めまい症」はめまいを伴う病気で頻度が高く、耳の奥にある三半規管(さんはんきかん)・耳石器(じせきき)が原因で起こります。また、更年期以降の女性、中高年、骨粗しょう症の人がなりやすい傾向にあります。

【良性発作性頭位めまい症が起きる仕組み】
役割:
(1)三半規管(さんはんきかん)…中にある液体の揺れを脳に伝え、回転の速さを捉えます。
(2)耳石器(じせきき)…表面には耳石がついており、耳石の動きで重力や体の傾きを捉えます。

耳石が何らかの原因ではがれ、三半規管に入り込むと・・・
脳が「回転した」と勘違いして、ぐるぐる回るような感覚が起こります。

【症状をチェックしてみましょう】
□寝返り、起床、首を上下に振るなど、頭を特定の方向に動かしたときにめまいが起こる
□ぐるぐると目が回るような回転性のめまい
□ふわふわとするような不動性のめまい
□聞こえに関する症状はない
□耳鳴りはない
□めまいが続くのは数秒から数十秒で、長くても3分ほどで治まる

【日常生活でできる対策】
耳石を三半規管にためないよう、普段から就寝時の姿勢を工夫したり、頭を動かすことを心がけることでめまいを軽減できる場合があります。
・長時間同じ姿勢を続けない。
・枕を少し高くして寝たり、上半身に少し傾斜をつけて寝る。
・適度にいろいろな方向に頭を動かす。

【治療方法】
めまいの程度によっては日常生活に支障が出たり、強い不安を感じることもあります。気になる症状があれば耳鼻咽喉科を受診しましょう。
〈薬物療法〉主に吐き気止めや抗不安薬、抗めまい薬を使い、症状を和らげます。
〈耳石置換法〉医師が患者の頭を動かし、耳石を三半規管の外に出す治療を行います。
〈運動療法〉頭を動かして耳石を三半規管の外に出す体操です。患者さんの状態によって方法が異なるため、必ず医師の指導を受けてから行うようにしましょう。

【こんな時は要注意】
めまいに加えて下記の症状がある場合は脳の病気の可能性があるため、すぐに医療機関(脳神経外科または脳神経内科)を受診しましょう。
□顔や手足に痺(しび)れや麻痺(まひ)がある
□ろれつが回らない、声がかすれる
□物が二重に見える
□激しい頭痛がある
□立てない、歩けない

保健師:小野寺遥