- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道天塩町
- 広報紙名 : 広報てしお 2025年4月号
●突然の事態に備えるために…
今月の病院だよりは、透析室で勤務をさせていただいております「臨床工学科」からのお知らせとなります。今まで病院だよりを何度か書かせていただきましたが、その内容は透析や糖尿病、医療機器に関してのお話しでした。この度は先月札幌へ出掛けた際に起きた出来事を書かせていただこうと思います。
さて、前置きが長くなりましたが家族で大型ショッピングモールへ買い物に出掛け、売り場で商品を眺めていた時のことでした。突然後ろから「バターッン!!」と大きな音が聞こえ、振り返るとそこには息子が倒れておりました。私はすぐに駆け寄り名前を呼びましたが反応は無く、目は虚ろ、顔面蒼白、手足は冷たく、額には冷や汗をびっしりとかき、体は小刻みに震えていました。息子の手首で検脈を試みましたが触れが弱く、意識も無かったので少し焦りましたが、平らな場所に寝かせて両足を挙上し、額の汗を拭いたりしているとだんだん意識が戻ってきました。その周辺にはお客さんと店員さんを合わせると30~40人は居たでしょうか。その中の一人の店員さんが救急車を呼んでいてくださっており、最初は札幌禎心会病院(脳神経外科)へ、その後続けてNTT札幌病院(小児科)へ搬送となりました。
救急車が到着するまでの平均時間は約8分といわれており、その間の応急手当の実施が有るか無いかで、救命率は大きく変わってきます。自分の大切な家族はもちろん、友人知人、そして目の前に居合わせた人が今回の息子のように突然倒れた時、救急車が来るまでの間、命を守ることができるのは近くに居合わせた方たちです。ただ、デパートや映画館、地下鉄駅など大勢の見物人がいる中ですと、行動に移すことは勇気のいることかもしれません。
そこで町民の皆様にご紹介させていただきたい動画がございます。総務省消防庁のホームページの中に「一般市民向け応急手当WEB講習」というものがございますので検索をしてみてください。普通救命講習編(27動画約65分+修了テスト20問)と上級救命講習編(51動画約110分+修了テスト30問)に分かれており、私個人の見解ですがとても理解しやすく作成されております。また、全ての動画を視聴してテストをクリアすると「受講証明書」を発行することもできますので、お時間のある方は是非チャレンジしてみてください。動画の視聴や受講証明書の発行は無料です。
「一般市民向け応急手当WEB講習」をご視聴いただき、一歩勇気を踏み出せるきっかけになると幸いです。
(文責 臨床工学技士 大弓浩明)
お問い合せ先:天塩町立国民健康保険病院
【電話】(2)1058