健康 病院だより No.102

●いのちを預かる機械とともに
皆様、はじめまして。4月より臨床工学技士として着任いたしました、田村 健博(たむら たけひろ)と申します。出身は稚内市で、3月までは網走市の民間病院で勤務をしておりました。このたびご縁があり、地元の近くで暮らしこの地域で医療に携わる機会をいただけたことを大変嬉しく思っております。
さて、皆さんは、自動販売機を利用することはありますか?
ボタンを押せば飲み物が出てくる。そんな便利な機械を、私たちは日常的に「当たり前」のように使っていますよね。でも、裏では中身の補充や、壊れていないかの点検、清掃、電気系統の確認など、たくさんの「見えない作業」があるからこそ、私たちは安心して使えます。実は、私たち臨床工学技士の仕事もこれに少し似ています。病院にはたくさんの「命を支える機械」があります。人工呼吸器や透析装置、心電図モニター、輸液ポンプなど、どれも「正しく動いて当たり前」と思われている機械たちです。でも、その「当たり前」を守るために、私たちは日々こつこつと点検・整備を行い、故障を未然に防ぎ、安全な状態を維持しています。自動販売機の中身が空だったり、ボタンを押しても反応がなかったら困りますよね。それと同じで、医療機器も「いざ使うときに動かない」ということがあってはなりません。だからこそ、私たちは「目立たないけれど、欠かせない存在」として、医療の現場を支えています。皆さんが病院を利用する時、もしどこかで機械の調整をしている姿を見かけたら、「お、あの人たちが安全を守ってるんだな」と少しだけ思い出してもらえたらうれしいです。
また、これまでに網走市や美幌町の病院で約10年間、医療機器の保守に従事してきた経験がありますが医療機器は常に進化しています。新しい技術、新しい装置、新しい治療法に対応するには、日々の学びと技術習得が欠かせません。特に地方の医療現場では、限られた機器や人員の中で、いかに効率的に、安全に医療を提供するかが求められます。そうした現場の中で、自分がどう貢献できるかを考えるのも、私たちの大切な役割だと感じています。当院においても、新しい環境の中で一つひとつ確実に業務を覚え、職場の皆さまや患者さまに信頼される技士を目指して精進してまいります。
まだまだ至らぬ点も多く、ご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、温かいご指導をいただきながら、少しずつでも職場に貢献できるよう全力で取り組んでまいります。技術職としてだけでなく、人としても信頼されるよう、日々の積み重ねを大切にしていきたいと考えております。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
(文責:田村 健博)

お問い合せ先:天塩町立国民健康保険病院
【電話】(2)1058