くらし 特殊詐欺、本当に「私は大丈夫」?

近年は特殊詐欺の手口が巧妙になっており、「私は大丈夫」と思っていても被害にあってしまうことがあります。
今月号では、「特殊詐欺」の種類や手口をご紹介します。特殊詐欺について知り、自分や家族を詐欺被害から守りましょう!

◆特殊詐欺とは
特殊詐欺は、犯人が電話やハガキ(封書)等で、家族や公共機関の職員、実在する企業等を名乗って被害者を信じ込ませ、現金やキャッシュカードをだまし取ったり、ATMを操作させ、犯人の口座に送金させたりする犯罪です。近年はSNSなどを使用した投資詐欺も増えており、若い人も被害にあっています。北海道内の特殊詐欺は、令和6年から令和7年の間で161件増えています。
怪しい電話や郵便、メールなどには、すぐに返答したり支払ったりはせずに、家族や友人、警察に相談しましょう。

◆北海道内の特殊詐欺認知件数
特殊詐欺は10種類の詐欺の総称です。ほとんどの詐欺で認知件数が増加しています。

○オレオレ詐欺
親族、警察官、弁護士等を装い、親族が起こした架空の事件・事故に対する示談金等を名目に金銭等をだまし取るものです。心当たりのない電話には出ず、必要のない人は「国際電話の利用休止」をしておくと安心です。

○預貯金詐欺
警察官、銀行協会職員等を装い、「あなたの口座が犯罪に利用されており、キャッシュカードの交換手続きが必要です」などの名目で、キャッシュカード、クレジットカード、預貯金通帳等をだまし取るものです。キャッシュカードなどは「銀行以外で他人に渡さない、暗証番号を教えない」を徹底しましょう。

○架空料金請求詐欺
未払いの料金があるなど架空の事実を口実に金銭等をだまし取るものです。身に覚えのない請求が来た時は警察に相談しましょう。

○還付金請求詐欺
税金還付等に必要な手続きを装ってATMを操作させ、口座間送金により財産上の不法の利益を得る電子計算機使用詐欺事件又は詐欺事件です。
還付等の手続きで電話でATMの操作を指示することはありません。

◆北海道警察枝幸警察署 中頓別駐在所 河江 智幸 所長
今年4月から中頓別駐在所の所長に着任した河江智幸です。
特殊詐欺の被害件数は年々増加しており、手口も複雑になっています。北海道では毎年約5億円前後の被害が発生しています。全体的に高齢者の被害が多いですが、架空料金請求詐欺などは年齢に関係なく被害が発生しています。
被害にあわないために、「お金のことは一人で決めず、お金を送る・手渡す・振り込む前に相談する」、「詐欺の手口に関心を持つ」、「留守番電話を活用し、相手を確認してから電話に出る」、「通話内容を自動録音したり警告メッセージが流れる電話防犯機器を活用する」などの対策をしましょう。
もし怪しい電話がかかってきたり身に覚えのない郵便やメールが届いた場合は、駐在所や枝幸警察署にご連絡ください。また、実際にお金を支払ってしまったなど被害にあってしまった場合はできるだけ早くご相談ください。

連絡先:枝幸警察署中頓別駐在所
(【電話】01634-6-1040)
※パトロール中などは枝幸警察署に繋がります。

◆年代関係なく被害に!近年増加している特殊詐欺の手口3選!
▽ニセ警察詐欺
警察官を名乗り、「あなたの口座が犯罪に使われている」、「携帯電話が不正に契約された」等と電話をかけ、操作の名目で金銭等をだまし取る手口です。
SNSやビデオ通話で偽の警察手帳や逮捕状を見せて被害者をだまします。
北海道では、金を購入させて手渡しで金地金をだまし取る手口が確認されています。

▽SNS型投資・ロマンス詐欺
SNSやマッチングアプリ等のDMを通じて接触し、一定期間やり取りを続けて親近感や恋愛感情を抱かせ、金銭等をだまし取る詐欺です。
「将来のため」等と、暗号資産の購入や架空の投資を勧め、偽の投資アプリをダウンロードさせます。アプリ上で利益が上がっているように見えたり、実際に少額のお金を受け取れることがあるので被害に気づきにくくなります。
SNSで出会った外国人を名乗る者・個人名義の口座への振り込み等のワードには要注意です。

▽警察のウェブサイト(HP)を模倣した偽サイト
警視庁や大阪府警のウェブサイトを模倣した偽サイトの存在が確認されています。
偽サイト内で犯人から伝えられた番号を入力すると、氏名や生年月日が記載された偽の逮捕状や守秘義務命令書等の書類が表示されます。
北海道居住者の偽の逮捕状がアップロードされた事例も確認されています。