健康 さろまげんき王国

■「熱中症に要注意」
本格的な夏が到来しました。夏祭りや野外イベントなど、家族や友人とのお出かけを楽しみにされている方も多いと思います。そんな楽しい夏だからこそ気を付けたいのが熱中症です。7月は体がまだ暑さに慣れておらず、熱中症による救急搬送が最も多い傾向にあります。熱中症は、意識障害や腎機能障害など命に関わる重篤な症状を引き起こすこともあります。夏の行事を楽しむためにも、今一度屋外活動時の注意点についてお伝えします。

◇熱中症の危険度を知る!
熱中症予防に必要な情報の1つに「暑さ指数(WBGT)」という指標があります。これは、私たちが感じる暑さをより正確に測るための数値のことで、「気温」・「湿度」・「ふく射(日差しや地面からの熱)」の3つに着目して算出されています。環境省のHP「熱中症予防情報サイト(※1)」で毎日発表されていますが、環境省公式LINE(※2)のほか、テレビの天気予報、スマホアプリなどで確認できます。暑さ指数が高くなると熱中症になる危険性が高まります。活動前に暑さ指数を確認することで、活動をするかの判断目安になります。

◇日常生活における熱中症予防指針

参考:日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針」Ver.4

◇屋外活動時の注意点
屋外での活動は、暑さ指数を考慮し、無理のない範囲で行うことが重要です。
(1)涼しい服装
吸湿性・速乾性に優れた素材の、ゆったりとしたもので、帽子を着用することが望ましいです。

(2)活動時間を考慮
1日の中で最も暑い時間帯は、13時から14時頃です。この時間帯では日陰や涼しい場所で過ごすことが望ましいです。

(3)こまめな水分補給
喉が渇いていなくても、時間を決めて水分をとりましょう。一度に大量に飲むと尿として排泄されてしまうため、こまめに飲むことが大切です。

(4)冷却グッズの活用
近年はミニ扇風機、首を冷やすリング、冷却ベストなど様々な冷却グッズがあります。正しい使い方を守り効率よく体を冷やしましょう。

(5)日陰で休憩時間をとる
休憩時間が短いと、全身をクールダウンできず、熱中症のリスクが高まります。涼しい場所で十分な時間をとって体を休めましょう。

(6)応急処置と受診
大量の発汗、めまい、立ちくらみ、こむら返りなどは熱中症の初期のサインです。異変を感じたら、涼しい場所に移動し、体を冷やしましょう。嘔吐、頭痛、虚脱感がある場合は医療機関を受診しましょう。
また、周囲の方で、問いかけに対する返事が曖昧な方がいた場合は意識障害が疑われます。ためらわずに救急車を呼びましょう。

◇水分補給について
▽水・麦茶
普段の水分補給に適しています。緑茶、紅茶、コーヒーは利尿作用があるので、水分補給としては適していません。

▽スポーツドリンク
汗をかいた時の水分補給に適しています。血糖値が高めの方は糖分の少ないものを選びましょう。

▽経口補水液
熱中症の初期症状が現れた時の水分補給も適しています。

◇熱中症のリスクが高い方
▽子ども
大人に比べ、体温調節機能が未熟で地面からの照り返しの影響も受けやすいため、熱中症のリスクが高いです。保護者の方は、お子さんの顔色が悪い、ぐったりしている、機嫌が悪いなどの兆候がないか気にかけましょう。

▽高齢者
ご年配の方は、体内の水分量が成人に比べて少ない、暑さや喉の渇きを感じにくい、体温調整機能が低下している等の特徴があるため、熱中症のリスクが高いです。屋外活動はもちろんのこと、室内でも熱中症になる場合があります。時間を決めて水分補給をすること、エアコンや扇風機を使い、室温を28℃以下に保つことを心がけましょう。また、家族や近所の方同士で気にかけ、異変があればすぐに医療機関の受診を勧めましょう。

▽こんな方も高リスク
次に当てはまる方は熱中症のリスクが高いため、活動時には注意が必要です。
・脱水になりやすい方
※二日酔い、利尿薬を服用している、下痢気味、風邪を引いているなど。
・抗精神病薬を服用している方
・寝不足の方
・肥満の方

◇最後に
熱中症は、誰もがなりうる危険な病態ですが、正しい知識と予防対策を実践することで、そのリスクを大きく減らすことができます。この夏も、ご自身だけでなく、ご家族や周りの大切な人の命を守るためにも、熱中症予防に努めましょう。

問合せ:保健福祉課保健推進係
【電話】2・1212