- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道足寄町
- 広報紙名 : 広報あしょろ 令和7年11月号
■サワシバ
サワシバ(沢柴)はカバノキ科クマシデ属の落葉高木で、北海道から九州までの山地に広く分布しています。沢の名の通り、沢沿いや湿った斜面など、水分の多い場所を好んで育ちます。葉は互い違いに付き、広く卵形で長さは6~15cmほど。縁には細かいギザギザがあり、基部はハート形をしています。春に葉が開くと同時に花が咲き、夏の終わりにはホップのような果穂が垂れ下がります。果穂は円柱形で、葉のような果苞が重なり合い、風に舞って種子を遠くまで運びます。秋には黄葉し、やがて落葉して冬を迎えます。
また柴とは山野に生える雑木のことを指します。昔話でよく耳にする「お爺さんが山へ柴刈りに」という場面は、こうした雑木や枝を刈り取る様子を表しており、かつては火を焚くための燃料など、暮らしの中の資源として利用されていました。
サワシバという名前の由来を見ると、木の特徴と人との関わりをシンプルに表していると感じます。
詳細:九州大学北海道演習林(緒方健人・田代直明)
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