子育て 弟子屈町生徒指導連絡協議会便り No.24 令和7年7月1日

■「美しい姿と言葉の育成を目指して」
本町にお世話になり3年目を迎えました。今年度も町生徒指導連絡協議会の会長を務めます弟子屈中学校長の小林一博です。どうぞよろしくお願いいたします。
町民の皆さまには、平素から本町の児童・生徒の健全育成のためにお力添えをいただいていることに加え、本会の活動に対しましても格別なご理解とご協力をいただいておりますことに、この場をお借りして感謝申し上げます。
学校現場では、コロナ禍の影響によりGIGAスクール構想の前倒し導入が始まり早5年近くになります。iPadなどの1人1台端末環境を活用しての授業や教育活動は当たり前となり、子どもたちの可能性を引き出す方法や世界は広がりつつあります。一方で、SNSの急速な普及は、社会にプラス面の変化を与えただけではなく、使用する側のモラルやマナー、社会の制度などの体制が、まだまだ十分とは言えないことに起因する課題も表出されています。
日本の平安時代や江戸時代などの過去の時代と比べ、どんなに世の中が便利になり、生活が豊かになったとは言え、人間の中身も高まったとは残念ながら言えません。人間の区別は「上品か、下品か」の区別しかないと言われています。それは、実際、「中品」という言葉が使用されていないことからもはっきりしています。昨今、問題視されているSNSなどでの誹謗中傷のような聞くに耐えないひどい言葉の横行などは、上品な人とは言えず、下品な人の行いと言えるでしょう。
では、上品な人と評価されるための美しい姿と言葉の育成には何が必要なのでしょうか。そのヒントも歴史から学べると思います。中国の哲学者のひとりの孟子は、上品な人間として成長するための大切な四つの側面を「四端」と言い表しました。
四端とは、「側隠(そくいん)の心」「羞悪(しゅうあく)の心」「辞譲(じじょう)の心」「是非(ぜひ)の心」の四つの心です。「側隠の心」とは、人への思いやりを持つこと。「羞悪の心」とは、不正や悪を憎み、恥を知ること。「辞譲の心」とは、われ先にではなく人に譲る心を持つこと。「是非の心」とは、正しいこととまちがっていることを判断できる心を持つことです。やはりこの4つは、美しい姿や言葉、凛とした姿勢や生き方をするための必須条件だと思います。
年々日本全体、少子化が顕著に感じられてきています。そのような状況であるからこそ、人としてあるべき姿や生き方、我が国の文化を継承しつつ持続可能な町づくり、人づくりが求められています。その実現のためには、家庭と学校の二柱だけでなく、もう一柱である地域と共に育成する重要性が欠かせません。今年度も共に協力し、知恵を出し合い、取り組んでいきたいと考えております。本協議会へのご協力をよろしくお願いいたします。

弟子屈町生徒指導連絡協議会 会長 小林一博(弟子屈中学校長)

■町内団体の取り組みを紹介〜美留和小学校〜
美留和小学校は全校児童16人。特認校のため町内どこからでも通うことができることから、児童の多くは学区外から通学しています。さまざまな体験活動、地域の方との交流を通して、美留和小の理念である「児童が学びたい、保護者が学ばせたい、教職員が働きたい、地域が支えたい美留和小学校の創造」を目指しています。
本校の児童会活動は三年生から参加しています。今年度から新たに「文化グループ」「保体グループ」を設け、学校をよりよくするためにさまざまな活動をグループごとに取り組んでいます。毎週金曜日の「ゲーム集会」や学期末にある「夏を楽しもう集会、冬を楽しもう集会」などでは、担当児童が全校で楽しめる遊びを決め、ルールや道具の準備など、すべて自分たちで行っています。このように児童が自らの手で準備し、運営していく経験が多いことが美留和小学校の特徴です。
もう一つの大きな特徴は地域とのつながりです。地域の方々にさまざまな活動の中で協力をいただいています。毎月一度の本の読み聞かせ、秋のイモ団子作りの講師などの学習活動への協力。運動会や学芸会には70人以上の方に参観いただき、温かい拍手や応援をいただいています。このような地域の方々の温かいつながりや大きな愛情に包まれながら、子どもたちがぐんぐん成長することができています。
これからも学校と地域のつながりを大切にしながら、笑顔溢れる楽しい美留和小学校になるように、取り組んでいきます。

問い合わせ先:弟子屈町生徒指導連絡協議会事務局(弟子屈中学校)
【電話】482-2071