健康 お口から始まる健康

今月の保健師 若松理乃さん

急に寒くなってきましたね。体調を崩していないでしょうか?手洗いうがいをこまめに行い、予防していきましょうね!
今月のお話は、お口の健康についてです。

■お口の健康が損なわれると…
「噛む」、「飲み込む」、「話す」、「表情を作る」、「脳への刺激」、「正しい噛み合わせで平衡機能を保つ」、「おいしいと感じる」など、さまざまな機能を担っている口や歯。これらの機能が失われてしまうと、生きていくにはとても不便になりそうです。
歯を失う原因で多いのは歯周病です。歯周病とは、歯と歯ぐきの隙間から侵入した細菌が歯肉に炎症を起こし、歯を支える骨を溶かしてグラグラにしてしまう病気です。歯がグラグラな状態だと噛む力が弱まり、物を食べられなくなるため体も弱ります。また、歯周病菌は全身にも害を与えていることが分かっています。

■歯みがきで健康へ
お口や歯の健康を守るためには歯磨きが必要です。歯垢はバイオフィルムという膜に包まれており、歯の表面に強固に付着しているので、うがいのみでは除去できません。そこで「歯磨き」が有効となります。歯ブラシで歯を磨くことにより、歯垢を取り除くことができるのです。
歯みがきのコツは3つあります。
(1)持ち方。ペングリップと呼ばれる持ち方(ペンの持ち方)が、力が入りすぎず良いとされています。
(2)磨き方。1歯面に対して10~20回を目安に小刻みに磨きましょう。磨きやすい歯ブラシの角度は、歯に対し45度または90度とされています。前歯に関しては、縦磨きを併用すると磨きやすいです。奥歯、奥歯の溝、歯並びの悪いところ、隙間のある歯と歯の間などが磨き残ししやすい部分なので、意識して磨きましょう!
(3)フロスの活用。歯ブラシでは磨ききれない、歯と歯の間の歯垢を取ることができます。

■入れ歯の方は…
入れ歯や差し歯の方でも、お手入れが大事です。手入れ不足の入れ歯はばい菌の巣となり、粘膜が赤くなり炎症を起こしてしまいます。お手入れの仕方のコツは次の3つです。
(1)残っている歯は、先ほどの「歯みがきのコツ(2)」を参考に磨いてください。
(2)差し歯や総入れ歯は、歯磨き粉をつけずに1日1回は歯ブラシで磨いてください。歯磨き粉に含まれていることが多い研磨剤により、総入れ歯や差し歯が傷つき汚れが取れにくくなってしまいます。汚れが付きやすい場所は、普通の歯と同じで溝のある部分です。また、差し歯ははめる金属の部分、総入れ歯は歯ぐきに貼りつける部分も汚れやすいので、よく洗い流してください。
(3)寝るときには外して、口の中を休ませましょう。外した入れ歯や差し歯は、水か洗浄液に入れて保管してください。

健康な体づくりは「お口から」となります。これからも、皆さんが健康に過ごせることを祈っています。
町では、今年度20歳、30歳、40歳、50歳、60歳、70歳の方に歯周疾患健診の無料クーポンを送付していますので、ぜひ活用しみなさんの健康にお役立てください。