- 発行日 :
- 自治体名 : 青森県風間浦村
- 広報紙名 : 広報かざまうら 2025年9月号
■みんなで治療、認知症~自分らしく生きるために~
内科医長 梅村 澄和
年々暑くなってくる夏を今年も乗り切った皆さん、お疲れさまでした。秋に向かって涼しくなるところですが、過ごしやすい時期はすぐに過ぎ去ってしまいますよね。もう少し秋や春の時間が長くなるといいのですが…
さて、今月は認知症の話です。認知症と聞くとどのような印象があるでしょうか。生活が困難になっていく、周りに迷惑をかけてしまう、介護が大変など、やはりネガティブな印象が強いかもしれません。こういったネガティブなイメージから、認知症と言われるとがんの診断をされるのと同じくらいショックを受ける人もいるかもしれません。確かに、認知症になってもよいことはあまりありませんが、永く元気に暮らしていくためにしっかりと準備をしておけば、意外と怖いことは少ないかもしれませんよ。
そして、その準備をするためには、認知症が進んで自分で判断ができなくなってしまう前に、認知症を発見することが大切です。「これって認知症なのかな」と思うことがあれば、ぜひ医師に相談してください。治る病気ではありませんが、進行を遅らせる治療はあります。また、早期の認知症であれば、通院は大変になりますが、点滴で治療することもできます。
皆さんの中には、すでに認知症に関係したことで困っている方もいるかもしれません。認知症は、環境の変化や快適でない環境、孤立感があると進行しやすく、安心できる環境を周囲の人を巻き込んで作りあげることが、進行を遅くする最も有効な方法の一つです。認知症の方は、認知症で困っていることを理由に、他人を十分に頼っていいので、とにかく困っていることを周囲の方に相談してみてください。また、頼れる人がいなくても、何とか援助してくれる制度があります。病院にも役場にも窓口がありますのでご相談ください。認知症の方を支援してくださっている皆さん、毎日ありがとうございます。皆さんの働きが、認知症の治療につながっています。もし、困難がありましたら、抱え込まずにご相談ください。