- 発行日 :
- 自治体名 : 岩手県一関市
- 広報紙名 : 広報いちのせき「i-Style」 令和7年6月号
■INTERVIEW 道の駅だいとうに懸ける
▽出荷と交流の喜びをさらに大きく!
道の駅だいとう駅長 菅原 豊一(とよいち)さん(77)
約30年間にわたって運営した産直ふるさと大東は、地元の安心・安全な野菜や果物が喜ばれ、町内外から多くの常連客が通ってくれました。私自身も米やリンゴなどの生産者の一人。商品へのクレームを直接受けたこともありましたが、重要なのは対応の早さだと感じます。すぐに購入者のもとへ出向いて誠心誠意謝罪する。こうした心掛けによって消費者との信頼関係を築いてこられたと自負しています。
産直経営で印象的だったのは東日本大震災。内陸部と沿岸部の中間地点という立地もあり、沿岸部から多くの人が食品を求めて訪れました。被災者のために「大東」としてできることを考え、当時は組合員以外にも協力を呼びかけることで食料の供給に大きな役割を果たせたと思っています。
一方、新たに動き出した道の駅は産直分野だけではありません。レストラン経営のほか、イベントや企画などを通じた地域の拠点施設としての役割を担うことになります。運営する大東産地直売協同組合には、これまでの組合員のほとんどが移行し、さらに優秀な若手人材が加わってくれました。年配の生産者にとって野菜などを育てて出荷し、食べてもらうことは生活の張り合いです。若手の新しい力と、われわれが培ってきた産直での経験を生かして、交流が広がり、みんなが笑顔になれるような道の駅を目指します。
▽「大東といえばこれ」を生み出したい!
市地域おこし協力隊 竹谷(たけたに) 直起(なおき)さん(45)
道の駅の企画に携わる仕事に興味を持ち、地域おこし協力隊として千葉県市川市から一関に来て2年余りがたちました。オープンまでの期間で、市内外に大東をアピールできるような「売り」を作ろうと地元産食材などを生かした商品開発に力を入れました。ノウハウを持った人たちに伴走してもらいながら、「食べる甘酒」や「原木しいたけの佃(つくだ)煮」といった商品を生み出すことができました。
いざ迎えた4月17日の開業日。この日に備え、昨年度に全国各地でオープンした四つの道の駅を見て回り、オープン当日の来場者の多さや人の動きを予想していました。おかげで心に余裕を持って門出に臨むことができ、無事に開業できた喜びが込み上げました。協力してくれた皆さんへの感謝の気持ちでいっぱいです。
でも、ここからが本当のスタート。いかに100点に近づけていくか、さらに120点を目指していけるかというところが課題です。そのために、スタッフが「大東といえばこれだよね」と胸を張って言える、皆さんからも言ってもらえるような特産品の開発を続けていきたいですし、大東をもっと知ってもらうための発信力も強化しなければいけません。「渋民」という共通点のある道の駅もりおか渋民とのコラボなども考えています。道の駅から地域を盛り上げていきたいです。
■LOCAL SPECIALTY 特産品紹介
▽「大東ならでは」がそろっています!
道の駅巡りの楽しみはやっぱり地域ならではの名物との出合い。農林業が盛んな大東は自慢の逸品がたくさんあります。その中から一部を紹介します。
(1)昔ながらの製法で搾る菜種油
(2)道の駅オープンに合わせて開発した「食べる甘酒」
(3)種類豊富な野菜苗
(4)大東の工場で作られた地元産牛乳のソフトクリーム
(5)ジュースやゼリーなどリンゴの加工品が充実
(6)製造元の閉店後、地元有志によって復刻された懐かしい味が人気のようかん
※詳しくは本紙をご覧ください。
■VOICE わたしたちも期待しています
▽記念イベントで鹿踊を演舞
村上 夕斗(ゆうと)さん(18)大東
道の駅が完成するまでは実感できませんでしたが、いざオープンしてにぎわっている様子を見ると地元民として誇らしく感じました。大東高校で取り組んでいる鹿踊(ししおどり)の演舞で、盛り上げに一役買えたことがうれしかったです。ここを訪れる県内外の人たちに大東をPRできるような場所になってほしいです。
▽木工品を出荷する
今川 廣喜(ひろき)さん(69)大東
テーブル、いす、ベンチなど、オリジナルの木工品を出品しています。外に置いている商品はぜひ座ってみて、使い心地を確かめてください。過疎化している地域ですが、道の駅ができたことでいろいろな人に来てもらい、田舎の魅力を知ってもらえたらうれしく思います。人とのつながりが広がることを期待しています。
問合せ:道の駅だいとう(一関市大東町渋民字西風47-1)
【電話】34-7126
営業時間…9時~19時(レストランは11時~15時)
*道路休憩施設は24時間利用可能