くらし 鳥獣被害対策の担い手になりませんか?(1)

市民の安心・安全な暮らしや農作物などを守るために

■農作物被害防止のため活躍する鳥獣被害対策実施隊
近年、市内では有害鳥獣による農作物被害が深刻化しています。
有害鳥獣は、ニホンジカやイノシシ、ハクビシンなど、農作物の食害や人身に被害を及ぼす鳥獣のことをいい、全国的にも個体数の増加や捕獲する人手の不足により、被害がなかなか減少しないという状況が続いています。岩手県内の被害額も増加傾向にある中、大切な農作物と生活環境を守っていくために、継続的な対策が求められています。
本市においても様々な対策を行っている中で、被害防止に大きな役割を担っているのが「陸前高田市鳥獣被害対策実施隊」の皆さんです。今回は、市民の安心・安全な暮らしや農作物などを守るため、鳥獣被害と向き合う実施隊の活動を紹介します。

■鳥獣被害の現状
本市の鳥獣による農作物の被害面積は、各種取り組みの成果もあり、平成28年度の2376アールと比べ、令和5年度は214アールと大幅に減少しています。一方で、被害額は、年度ごとのばらつきはあるものの、令和5年度が331万8千円となっており、依然として高い水準となっています。(図1参照)
中でも被害面積、被害金額ともに大きな割合を占めるのがニホンジカによる食害ですが、その捕獲数は微増傾向にあり、令和6年度実績で1155頭。また、平成29年には横田町で初めてイノシシによる農業被害の報告があり、近年は目撃情報や被害報告が相次ぎ、令和6年度の捕獲数は22頭と急増しています。(図2参照)

■実施隊の役割と課題
こうした中、平成25年5月に結成されたのが市鳥獣被害対策実施隊です。実施隊は44人(令和7年4月1日現在)の隊員で組織され、有害鳥獣の捕獲活動やツキノワグマなどの目撃情報が寄せられた際の巡回、追い払いなどの必要な対策を担っています。
隊員の皆さんの着実な活動により、実施隊結成以前と比較して、被害面積、被害額はともに減少してきました。一方で隊員の高齢化が進んでおり、担い手の確保が課題となっています。

■鳥獣被害対策の強化に向けて
市では、実施隊員になるための要件である狩猟免許の取得に要する経費や、被害防止のための防護網などの設置に要する経費に対し補助を行っています。

■鳥獣被害対策実施隊の活動
▽主な職務内容
(1)対象鳥獣の捕獲駆除
(2)ツキノワグマなどの目撃情報が寄せられた際の巡回、追い払いなど
要件:狩猟免許を有し、かつ高田猟友会市内在住会員のうち、会長が推薦した者

▽待遇
(1)報酬…年額12,000円
(2)捕獲報償金

(3)旅費…1日あたり1,500円(一定の要件を満たした場合に限る)

▽活動の流れ
(1)市から隊員へ鳥獣捕獲に係る従事者証を交付
(2)隊長、班長の指示により、市内各地の有害鳥獣生息区域で捕獲活動を実施
(3)捕獲した個体を市清掃センターなどに運搬し、焼却処分

狩猟免許取得などに対する補助もあります!詳しくは4ページをチェック!