- 発行日 :
- 自治体名 : 宮城県名取市
- 広報紙名 : 広報なとり 令和7年2月1日号
名取市長
山田司郎(やまだしろう)
「若い皆さんに贈る言葉」
今年の名取市のテーマを漢字一文字で表すと「育」です。子育て、教育、夢を育む、などに使われます。
育むという言葉は、「親鳥が雛を守り育てる」「子を養い育てる」という意味の他に、「大事に守って発展させる」という意味があります。
私は皆さんに「想像力」を育んで欲しいと思います。
知識と知恵、経験。いずれも人生にとって大切です。
一方、今はこれまで誰も経験したことのない変革の時代を迎えています。
人の真価が問われるのは、こうした前例のない深刻な事態に遭遇した時の対応です。これまで培ってきた知識や知恵、経験の多くは変革の時代にはあまり役に立ちません。
これからの時代に求められるのは未来を「想像する力」だと思います。
その「想像力」を育むためには、自分と考え方や価値観が違う人の話をたくさん聞くこと、そして無駄だと思えるような寄り道をたくさんすることです。
人の話を聞いて「受け入れる」か「受け止める」か「受け流す」か、は皆さんの自由です。少なくとも色々な考え方や価値観があることを知って欲しい。
また、失敗や回り道だと思えることに遭遇しても、人生に無駄なことは何もありません。寄り道の中から様々なことを学び、「想像する力」を育んで欲しいと思います。
人生設計は大切ですが、人生は計画した通りにうまくいくほど単純ではありません。
計画通りにいかず、失敗して悩み苦しみ、その痛みの中から他の人の心の痛みを想像できるようになり、人に優しくできるようになります。
これからは大きな変化が当たり前のように起きて、問題も発生します。大切なことは、時代の先を想像する力と、しなやかな心で変化をチャンスに変えていく力です。
皆さんのご活躍を心より期待しています