スポーツ ときめき人~Tome bito~

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「とにかく空手が大好きなので、一生涯、空手に関わっていきたいです」。そう話すのは、昨年9月23日、東京武道館で開催された第62回全国防具付空手道選手権大会の一般男子個人の部で、大会最年少となる17歳で優勝を果たした北浦さん。
防具付き空手の宮城県迫支部長を務める母、るみさんと、空手の全国大会常連選手だった11歳年上の兄、大生(だいき)さんの影響で、幼少期から空手が生活の一部だった。5歳の時、大生さんが大会で獲得した金メダルに心を奪われ、「自分もメダルがほしい」と思い、本格的に空手の修行を始めた。
防具を装着して直接打撃を与える「防具付き空手」と、防具を着用せず攻撃を寸止めする「伝統派空手」の両方を経験。小学生の頃からそれぞれの大会で優秀な成績を収めてきた。福島県の伝統派空手の名門高校へ進学後、一時は防具付き空手から離れるものの、伝統派空手の全国高校選抜大会で5位に入賞するなど、輝かしい実績を積み上げた。高校での部活動引退を機に、6年ぶりに防具付き空手の大会に挑戦。感覚の違いに苦戦しながらも調整を重ね、熟練の選手が集う一般の部において、大会6連覇中の優勝候補を準々決勝で破り、その勢いのまま日本一の座をつかみ取った。
大学進学後も空手を続けるという北浦さん。「競技人口もスタイルも変わるので大変だと思いますが、大学でも日本一になれるよう、目の前のこと一つ一つに全力で取り組みます」。意気込みを語るその視線の先には、新たな頂点が見据えられている。