文化 【特集】時代を越えて民話をつなぐ(2)

■民話が好き。その思いと共にあるもの
民話を生き生きと語る「くりこまの昔ばなしを語る会」のメンバーたち。彼女たちからは「民話が好き」という強い思いがひしひしと伝わってきます。
民話への思いを伺いました。

◇仲間たちがいるから
大場 とみ子 さん(栗駒大鳥中)
子どもの頃、母から民話をよく聞かせてもらいました。民話が好きで、語ることも大好きです。民話にはまっていると言っていいと思います。
くりこまの民話を語る会では、市内各地に出向き、民話の伝承を続けてきました。また、以前は、県外にも出向き、民話を語ってきました。
近所の人に誘われたことがきっかけでこの会の設立当初から活動していますが、民話が好きな仲間たちと一緒に活動できるのは、楽しいです。

◇いつものずうずう弁で民話を届ける
伊藤 たつ子 さん(栗駒東方区)
子どもの頃、父から民話をよく聞かせてもらいました。当時の優しい思い出と共に民話が私の心の中にあり、会の発足当時からメンバーとして活動しています。
民話は、いつもの「ずうずう弁」で語ればいいので、肩ひじ張らずに語れるのがいいです。また、決して楽ではありませんが、民話を覚えるときは、民話の本を自分のずうずう弁に訳し、繰り返し書きながら暗記しています。

◇民話に出会えて感謝
菊池 勝子 さん(金成沢辺下)
戦後の農地解放により、私の家は、所有する農地の多くを失いました。その後は、残った少ない農地で家族が日々の生計をたてていく、貧しい生活を強いられました。
当時、貧しさから絵本も買えませんでした。それでも、絵本がない分、私は2歳の頃から祖母や母から、たくさんの民話を聞かせてもらいました。たくさんの民話を聞かせてくれた家族や、貧しくても、民話と出会えたことに感謝しています。

■[Interview]
高校生活を通して学びを深める地域探究プログラムのテーマとして「栗原の民話」を学習する高校生に、民話の魅力を伺いました。
◇民話に魅せられて
岩ヶ崎高等学校 2年 佐々木 あいら さん(金成下片馬合)
日本史を勉強する中で、古い時代に生きた人たちの考えや思いを知りたいと思い「栗原の民話」を探究テーマにしました。
市内の民話は、自然やキツネなどの生き物、水害、戦など、その昔、栗原に暮らした人たちの生活に関係する内容が多く含まれています。
例えば、調べた民話では、武将が蛇を退治する話があります。民話は、蛇を水に関係するものとして描くことがあります。何度も水害に苦しんだ地域だからこそ、水害を治めたいという気持ちや、水害を警戒すべきものとして伝承してきたのではないかと思います。
民話は、フィクションと現実が交差した物語展開が魅力的です。まだ出会っていない民話があると思うと、とてもワクワクします。

■時代を越えて 民話をつなぐ
くりこまの昔ばなしを語る会の髙橋会長は言います。「民話は、子どもたちの心に自然と道徳心を育む」と。また、市内で伝承されてきた民話は、昔、栗原で暮らした人々の息遣いを伝える「栗原の財産」であると。
さらに、高等学校で栗原の民話を探究テーマに学習する佐々木さんを取材すると、民話が持つ物語としての魅力は、今日も決して失われていないことが分かりました。
しかし、現在、以前のような民話の伝承活動は、語り手の高齢化などにより、できなくなっています。
それでも、くりこまの昔ばなしを語る会の彼女たちは、どんなに状況が厳しくても、伝承を諦めず、まずは「民話に興味を持ってもらうことが大切」と、今日も民話の練習を続け、伝承の壁を乗り越えようと挑戦を続けています。
その姿は、民話の伝承を通じて、私たちに現実を直視し、逆境に立ち向かう生きざまを教えてくれます。
彼女たちのまなざしには、「民話を伝え、残したい」という信念が宿っています。そして、そのまなざしの先に栗原の民話の明日が見えています。
時代の壁を越え、民話をつなぐ彼女たちの挑戦は、今日も続く。

■[Event Information]民話の世界が待っている 民話イベント開催
◇ふるさと劇場 ~民話とわらべ歌~
日時:3月21日(土) 午後1時30分
※午後1時開場
場所:若柳ドリーム・パル
内容:
・第1部…民話と若柳の伝承「醍醐・子々麻物語」
・第2部…遠野少年少女合唱隊によるわらべ歌の合唱
入場料:一般(高校生以上)500円、小・中学生以下 無料
※小・中学生以下で入場無料を希望する場合、若柳ドリーム・パルへ直接申し込みください。

問合せ:若柳ドリーム・パル
【電話】32-6600

◇民話の視聴ができます
昨年12月に開催の第52回くりこま文化祭で発表された、くりこまの昔ばなしを語る会の講演を視聴できます。

問合せ:企画部市政情報課
【電話】22-1126

◇くりこまの昔ばなしを語る会
日時:3月8日(日) 午後1時30分
場所:栗駒みちのく伝創館
内容:市内で伝承されている民話などの講演
入場料:無料

◇くりこまの昔ばなしを語る会 会員募集
練習日:毎月2回程度
場所:栗駒みちのく伝創館

[共通事項]
問合せ:くりこまの昔ばなしを語る会 髙橋
【電話】45-3220