- 発行日 :
- 自治体名 : 宮城県栗原市
- 広報紙名 : 広報くりはら 令和7年6月号
一迫山王史跡公園あやめ園。毎年、初夏にアヤメやハナショウブなどが咲き誇り、たくさんの観光客が訪れます。
また、同地区には、かつて大輪のユリが咲き誇る花園があり、現在、復活に向けた取り組みが始まっています。今月は、この2つの花園を紹介します。
■あやめ園の誕生
約300品種、約22万株のアヤメなどが所狭しと咲き誇る一迫山王史跡公園あやめ園。毎年6月にアヤメやハナショウブ、カキツバタの花が来場者の心を和ませます。この公園は、公営のあやめ園として、今から約半世紀前に誕生しました。
開園当初このあやめ園は、花の品種や特色不足を指摘する専門家からの厳しい評価や、必死の努力にも関わらず、花が十分に咲かないなど、苦しい運営が続きました。
しかし、厳しい評価をした専門家の他、地元愛好家、地域団体、商店主など、多くの人たちの協力を得ながら、特色を持つあやめ園に成長し、今では、多様なアヤメ科の花々を一堂に見ることができる数少ない公園になりました。
また、花が咲く時期が異なるアヤメやハナショウブがあることで、他のあやめ園よりも長く3週間ほど見頃の花が楽しめます。そのため、開花に合わせて毎年開催する「あやめ祭り」は、期間中、毎年約5千人以上が訪れる人気の花の鑑賞スポットに成長しています。
■あやめ園の特徴
一迫山王史跡公園あやめ園の特徴は、アヤメの品種と株数の多さです。他のあやめ園では、主にハナショウブを植えたものが多くなっています。1つの公園で、アヤメとハナショウブ、カキツバタを揃え、これだけの品種と規模を楽しむことができる貴重な場所として、この公園は特徴を持っています。
もう一つ特徴があります。それは長井古種と言われる貴重なハナショウブを見られることです。
ハナショウブは、もともと山野に咲くノハナショウブが原種の花ですが、鑑賞用として江戸時代から品種改良が行われてきました。長井古種は、ハナショウブがノハナショウブから改良されていく途中の品種に当たり、品種改良の過程を知ることができる貴重なものです。
この長井古種は、山形県長井市から導入されたもので、長井市では、長井古種のうち特に貴重な13種を天然記念物に指定しています。
また、あやめ園内にある長井古種の中から、新品種のハナショウブが発見され、昭和61年に「一迫」と命名されました。現在も、その花は、園内で大切に育てられています。
◆あやめ園イベント開催
◇栗原市誕生20周年記念 第41回山王史跡公園あやめ祭り
日時:6月12日(木)~7月2日(水)
午前8時30分~午後5時
◇第37回みちのく鹿踊大会
日時:6月15日(日)
午前10時~午後2時
内容:鹿踊り団体の演舞
◇第35回あやめ祭り神楽大会
日時:6月22日(日)
午前9時~午後2時
内容:神楽団体の競演
◇共通事項
場所:一迫山王史跡公園あやめ園(一迫真坂字道満地内)
入園料:大人520円
※高校生以下半額
問合せ:一迫観光協会
【電話】52-2114