その他 【特集】花よ咲け 思いと共に(3)

■花咲く園 復活を模索
◇南くりこま高原一迫ゆり園復活に向けて
今から約5年前まで、一迫地区には、あやめ園と並び、人気の花の鑑賞スポットであった「南くりこま高原一迫ゆり園」がありました。
このゆり園は、同地区の有志が町おこしのため平成3年に開設したもので、約3万平方メートルに200品種15万株のユリが咲き誇り、毎年3万人以上の人が花の鑑賞を楽しんでいました。
しかし、運営を担う人たちの高齢化や新型コロナウイルス感染症の影響で海外からユリの球根が輸入できなくなり、令和2年12月に惜しまれつつ、閉園しました。
しかし、現在、このゆり園の復活に向け、新たな動きが始まっています。
ゆり園の再開を目指す地元有志と営業当時のスタッフが、一迫ゆり園おこし協力隊を結成し、ユリの栽培ノウハウを継承すること、そして、ゆり園再開に向けた運営法人を探そうと活動を開始したのです。また、不足する資金をクラウドファンディングを活用して寄付金を募り、今年、ゆり園があった場所の一部である千平方メートルに5400株のユリの球根を植え、試験栽培を始めています。さらに、試験栽培しているユリを多くの人に見てもらおうと、今月ゆり祭りを開催します。

◆ゆり祭り開催
日時:6月12日(木)~7月2日(水)
午前8時30分~午後5時
場所:南くりこま高原一迫ゆり園跡地(一迫真坂清水堰田地内)
入園料:無料

問合せ:一迫観光協会
【電話】52-2114

■笑顔の花が咲くように
毎年多くの人が来園するあやめ園。約半世紀前に誕生したこの花園は、専門家や地域の人など、大勢の人たちの協力により、特色を持ったあやめ園に成長してきました。見頃を迎えたこの花園を訪れる人たちの表情はとても穏やかで、ゆったりとした時間がそこに流れます。
約5年前に閉園した、南くりこま高原一迫ゆり園も見頃を迎えた大輪のユリが来園者を優しい香りで包み込み、そこには大勢の人の笑顔がありました。
約半世紀にわたり地道に思いをつないできたあやめ園、そして、惜しまれつつ、つないできたバトンを一度置いたものの、再び復活を模索するゆり園。
この2つの花園には、今日も作業を重ね、花が咲き誇るその日を、そして、訪れる人たちが笑顔になることを想像しながら、来園者を心待ちにする人たちがいます。
今月は、思いが込められた色鮮やかなこの花園を観賞しに出かけてみませんか。
そこには、きっとたくさんの笑顔の花が咲き誇ります。