- 発行日 :
- 自治体名 : 宮城県栗原市
- 広報紙名 : 広報くりはら 令和7年11月号
(243)経壇
経壇は、瀬峰地区大鰐谷にある平安時代末期から中世にかけての塚群です。標高60メートルほどの「経壇山」と称する丘陵の頂部から、徐々に低くなりながら北東方向に延びる尾根上に、合計7基の塚が分布しています。これらの塚の1つから、布目瓦で蓋をした素焼きの瓶が出土し、その中に銅製経筒があったとされています。
また、大般若経を埋めて藤沢村の安寧を祈願したことで、この付近を大般若と称したという伝説があり、後世になって大鰐谷という名前が付けられたとされています。
7基の塚はそれぞれ標高の高い方から3基と4基の2群に分かれており、尾根の最も高い場所にある塚は1辺約15メートルで、3方に土橋が作られています。この他の塚は1辺約4.8〜7.2メートルの大きさで、そのうちの2基には盗掘された跡があります。
布目瓦や素焼きの瓶、経筒など、出土したとされるものの実物が残っていないため、それらが作られた詳細な時期や、塚群がどのような人々によって造られたのかなどは分かっていません。しかし、この場所の南側に位置する高清水地区影の沢には1辺9メートルの塚と板碑がある他、付近には来迎沢と呼ばれる場所があり、この辺り一帯は宗教的な場所であったと考えられます。
種別:市指定記念物(史跡)
指定日:昭和44年6月30日
所在地:瀬峰大鰐谷
問合せ:教育部文化財保護課
【電話】42-3515
