- 発行日 :
- 自治体名 : 宮城県七ヶ浜町
- 広報紙名 : 広報しちがはま 令和7年12月号
◇地区で話すと、「え〜!」とびっくり
【櫻井】いま、どうして七ヶ浜で健康づくりが大事なのか。
表1の健康寿命をご覧ください。健康寿命について、地区の皆さんに「実は、七ヶ浜は健康寿命がワースト1位なんです。」と言うと皆さん、「え~!」とびっくりされるんです。女性は、ここ3年間宮城県内35市町村の中でワースト1位なんです。男性は、少しずつは良くはなってきていますが、それでも6位です。
自立して生活できる寿命を健康寿命と言いますが、七ヶ浜の男性で約2年、女性で約4年の健康でない期間があるんです。
誰かにお手伝いしていただかないと生活していけない期間がこれだけ長いというのは、これからも元気に生きていきたいと思っている方々にとっては悲しいことですね。
では、何が原因になっているのか、全国の市町村と比較して、私たち栄養士と保健師が分析しました。
その結果、健康寿命が短い原因はいろいろありますが、その中でも、脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患になる人が宮城県平均よりも高かったんです。県が19・1%に対して、七ヶ浜が21・0%と、1・9%高いという結果が出ています。
宮城県平均との差が1・9%というと、大した開きではないと思っても全国で宮城県は高い方なので、全国でも高いということなんです。
[表1]健康寿命(みやぎの健康令和4年度版)

◇肥満細胞から血圧を上げるホルモン
さらに、特定健診の結果をみてその原因を探ると、グラフ(1)のとおり、町民でメタボの人が国や県より、とても多かったんですね。宮城県はもともとメタボ率が高いと言われていますが、令和4年は全国でワースト3位だったんですが、その宮城県よりも5・3%、女性は宮城県と同等だけれども、全国よりは3・1%高いんです。同じく肥満でいうと、グラフ(2)の身長と体重から算出されるBMI肥満度では、25以上が肥満と言われています。その率も男女ともに高いんです。肥満になると、肥満細胞から血圧を上げるホルモンや血糖を上げるホルモンなどが出てくるということがわかっていますので、このあたりが脳血管疾患につながっているのではないかと思います。課題2の収縮期血圧のグラフ(3)では、男女ともに高い人が多いことがわかっています。グラフ(4)の拡張期血圧においては、男性は国や県と同等で、女性は低い人が多いという結果が出ています。

◇要医療の半分の人が、病院に行かない⁉
では、高血糖についてはどうでしょう。課題3のグラフ(5)では、ヘモグロビンA1Cといって、過去1、2カ月の平均の血糖値を出しています。5・6以上になると血糖高めですねと言われます。これも男女とも8割もいて、こんなに多いというのは大きな課題です。
ここには載せていないのですが、私が一番心配しているのは、健診で血圧などで要医療となって、もう病院に行かなければいけない数値と言われていても、なんと!血圧の要医療の人の54・2%、血糖値の要医療の人の43・1%の人が病院に行かないということが、今回調べてみて分かりました。
せっかく健診を受けていただいているところではあるのですけれど、受けてもそれを放置してしまっていて、結果、脳梗塞や脳出血などの脳疾患血管で倒れてしまう流れがあるのではないかと思っています。
このことが健康寿命を短くすることにつながっているのではないかと思っています。

来月号では、要医療でも病院に行かない理由や、日ごろ減塩に気をつけているのに、塩分を取りすぎているのはなぜだろう?など、5人の話は止まりません!つづく…。
